六百三十九頁目
探索を再開して少し進んだところに日記の入った箱を見つけた。
壁際にあったのだが全く隠されていなかったので余程焦っていない限りは見落とすことはなかっただろう。
それでも初めて見る先達者様の日記ということもあってかモーリツさんは興味深そうに内容を確認していた。
しっかり読むとなると時間が掛かり残してきた二人に悪いためかパッと流し読みした程度のようだが、顔を上げたモーリツさんは用済みとばかりに俺へと手渡してきた。
どうやら余り役に立つことが書かれていたわけではないようだ。
だから俺も筆者の名前だけ確認して荷物に仕舞おうとして……ロックウェル氏のものだとわかりゾクっとした。
何せ俺達の知る限りではここに来たロックウェル氏はエレメントのせいで異常を来たしつつあった。
そんな彼の日記が人骨の錯乱するこの場所に置いてある意味とは……内容を読めば関連があるのかないのかはっきりするだろう。
だけど洞窟内で無駄に時間を使うことがどれだけ危ういか理解している俺は後ろ髪惹かれながらも日記をしまい込むのであった。
六百四十頁目
狭い場所は思ったより早く終わり、俺達の前には広大に開けた空間が現れてきた。
天井も松明の光が届かない程に高くなっており、また正面もある程度より先は暗闇に包まれてしまっているほど続いているようだ。
そして右の壁沿いを見れば黒曜石や金属鉱石などを採取できる鉱石が幾つも転がっており、左の壁沿いには……ま、また壁に絵画が彫り込まれるっ!?
しかもそこに描かれているのはARKで生き抜いてきた人間ならば誰しもが何度も見ているであろう光景、インプラントの埋め込まれた腕が光り輝いている様子だ。
……ただ地味に気になるのは親指の位置からして左手首ではなく右手首にインプラントが埋め込まれている構図であることだ。
まるで俺のことを指しているようでドキっととするが、同じことに気づいているであろうモーリツさんは事情を知らないにも関わらずチラリと視線をフローラの鉱石に向けるぐらいで特に何も言うことはなかった。
代わりに絵に描かれているインプラントの輝きに集うかのように四方を囲む四体の生き物は何なのだろうかと興味深そうに疑問を口にする。
多分答えを求めていたわけではないのだろう……だけど俺には心当たりがあった。
……幾ら優秀なモーリツさんと言えど前の島を経験していない以上はわからなくても無理ないか、だってこいつらはオベリスクの奥に行かなければ会えない存在なのだから。
それらは微妙に汚れているからわからり悪いが間違いなく四体のうち三体はそれぞれドラゴンに巨大ゴリラに巨大蜘蛛のフォルムであった。
ただ残る一体の絵は非常に汚れが激しく形も正体もわからなかったが、それでも予想することはできた。
……恐らくこいつがこの砂漠のオベリスクに居る守護者なんだろうな。
今回名前が出た動物
ドラゴン
メガピテクス(巨大ゴリラ)
ブルードマザー(巨大蜘蛛)
●●●●●●(この砂漠の守護者?)
今回登場した日記
ロックウェルの記録(#7)