六百五十二頁目
いつでもゴーレムに指示を出せるよう身構えていたが結局は杞憂に終わる。
驚いたソフィアが無線機でキャシー達に連絡を取ったところ、パララ君……正式にはメタルパララ号と名付けたらしい子の背中から二人が顔を出してきたのだ。
物凄くご機嫌な様子で満面の笑顔を浮かべながらブンブン手を振るキャシーと逆に物凄く疲れた様子でヘロヘロになっているハンスさん。
そんな二人の様子が伺えるほど距離が迫ってくると二人の傍に大砲があるのも見えてくる。
……大砲付きの移動拠点に加えて後ろを付いてくる仲間にしたと思わしきゴーレム、そして二人と連絡を取った時に聞こえてきた轟音。
それらを合わせて考えると二人が何をしてきたか何となく察することができた。
実際に話を聞いてみたところ返ってきたのは予想通りの答え……つまりゴーレムの捕獲をしに出掛けていたというのだ。
六百五十三頁目
俺達が洞窟攻略に向かった後でハンスさんはまず今後も必要になるであろう薬やサボテンスープの補填に掛かり、その際にもっと効率化できないかと思って例の工業用調理器具を作っていたそうだ。
それに対してキャシーは近場をアルケンで飛び回り素材を回収しつつ捕獲できそうなゴーレムを探索していたという。
しかしこの近辺は山に比べてゴーレムが出現する率が低いようで結局は一体だけしか見つけることができなかった。
取りあえず見つけたその個体を仲間にするべくキャシーは拠点に居るハンスさんを助手にして捕獲作業に移ったわけだが、その際にちょっとしたミスから例の罠に嵌める前に味方のゴーレムが反応してしまったという。
……そこでキャシーは仲間にしたゴーレムがサドルの防御力も相まって相手のゴーレムからの攻撃でもかなり耐えてくれることに気が付いた。
つまりは壁代わりに使うことができるというわけであり、また大砲も上手く角度を合わせられれば横からでも相手の頭部に当てることができる。
まあその個体は何とか仲間のゴーレムから引き離した上で罠に嵌めて捕獲することが出来たのだが、それらのことから仲間にしたゴーレムを始めとした動物を利用すれば罠無しでもゴーレムを仲間にできるのではとキャシーは考えたようだ。
しかもちょうどそのタイミングで……というか先ほどゴーレムを探すために近場を巡った際に野生のパララ君も見つけていたこともあって試してみることにしたのだという。
尤も結構危険な作業のためハンスさんは結構渋ったようだが念には念を入れて安全第一でやるという約束を交わしたこともあって協力することにしたのだという。
……そう説明した時にキャシーは堂々としたものであったがハンスさんはどこかバツが悪そうにそっと視線を逸らした辺り、単純にキャシーにおねだりされて断りきれなかっただけなんじゃないかなぁ?
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(ゴーレム)
パラケラテリウム(パララ君、メタルパララ君)