ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第753話

六百六十三頁目

 

 朝起きてハンスさんとソフィアが顔を赤らめているのを見て、昨夜のダンス大会を黒歴史だと思っていたのが自分だけでなくて良かったと訳の分からない安堵を覚える。

 そんな俺達に対してキャシーは結構楽しかったらしくいつも通りなルゥちゃんにまたやりましょうと言っているのを見かけてしまった。

 ……個人的には勘弁してほしいけれどルゥちゃんにおねだりされたら断れる気がしない。

 

 思わず左手首の鉱石を眺めて良い踊り方だとか或いは雰囲気でごまかせそうな衣装だとかを思い付けないか試してしまうが、やはりそんなサバイバル的には無意味なことには反応を示してくれなかった。

 ……逆にモーリツさんとの会話を思い出し手錠と檻の作り方を考えてみるとこちらはあっさりと思いつくことができてしまった。

 やはり彼が言っていたようにARKの設計者は踊り云々なんかよりもこういう道具の使い方を俺達に考えさせたいようだ。

 

 だけど昨夜のアレは確かに黒歴史ではあるけれど楽しかった……ああいう無意味かもしれないけれど幸せな瞬間を大事に思えてこそ人間なのではないか?

 むしろそういうことを蔑ろにして目先のエレメントなんていう万能かもしれないけれど人の心を病ませる物質の利用方法ばかり考えるような人ばかりになってしまったからこそ未来の人類は文明ごと滅んでしまった……なんてのは流石に考え過ぎだろうか?

 

六百六十四頁目

 

 何だか色々と考えれば考えるほどにエレメントに対する忌避感が強くなっている気がする。

 だけれど残念なことにあいつが非常に有意義な物質であり利用したほうがずっと生存率が上がるのも否定しようのない事実だ。

 それを個人的感情だけで否定するつもりはないのだが、だからこそ管理だけは徹底しておきたい。

 

 特に数が揃ってきて加工が可能になった際には使い終わった後の余った分をしっかり金庫へと片付けるように心がけようと思う。

 素材は次に使う時に取り出すのが面倒で作業机や旋盤などの設備の上に置きっぱなしにしがちなので気を付けておかないとエレメントも同じような扱いをしてしまいそうなのだから。

 そんなことを考えながら俺は今日もまた昨夜の続きとばかりに例の洞窟攻略に向けてコレオちゃんの幼体を見繕い隙間の奥へと送り出す地味な作業を行いにキャシーと共に拠点を飛び出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ってあれ? 何か肩に乗せたミッキーが騒いでるような……ま、まさかこのタイミングで久々にアレが来るのかっ!?




今回名前が出た動物

ティラコレオ(コレオちゃん)
トビネズミ(ミッキー)
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