ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第754話

六百六十五頁目

 

 天候の変化次第では移動もままならなくなる。

 それこそ下手をして洞窟内で立ち往生する羽目になったらシャレにならない。

 ミッキーが鳴いてから天候が変わるまで猶予があるとはいえ、とにかく急いで帰るに越したことはない。

 

 キャシーと共に作業もそこそこに洞窟を後にしてアルケンでもって緑のオベリスクがある拠点を目指す。

 そうして何とか天候が変わる前に帰り着けそうな目途が付いたところでようやく落ち着くことができた。

 そこで改めてミッキーの鳴き声を思い返してみると『ふるぁぁ……』と聞き覚えのある鳴き方だった気がする。

 

 ふと気になって日記を読み返してみるとミッキーの鳴き声は変化する天候ごとに微妙に異なっているようだが、この鳴き声の時は凄まじい熱気が襲ってきていたようだ。

 今の俺達ならばあの強烈な熱気ぐらいクーラーの効いた部屋で過ごせば大した影響は受けないし、もし万が一にも帰り着く直前で襲われてもサボテンスープなりテントなりで何とでもやり過ごせるはずだ。

 ……そのはずなのに何故かものすごぉく嫌な予感がするのは……そういえば前にキャシー達と何か約束していたような気が……?

 

六百六十六頁目

 

 思った通りいつぞや以来の物凄い熱気が襲ってきたが、故障対策も兼ねて複数台用意したクーラーのある室内に居れば襲るるに足らずであった。

 つまりこのまま籠っていれば安全だというのにソフィアとキャシーが……特にキャシーが物凄いテンションで外へ出るよう訴えかけてくる。

 その理由は燃える鳥ことフェニックスの捕獲である。

 

 何せ前に見つけた調査書に熱波の激しい時に生まれると書かれていたから、この天候の時にしか見つけられない可能性が高いのだ。

 実際にソフィアが前に見かけた時もあの猛烈な熱波の中であった。

 だからこそ幻獣ハンターもとい動物好きなキャシーとしては滅多に訪れないこのチャンスを逃したくないのだろう。

 

 もちろん物語好きなソフィアもそういう生き物は大好物なようで目を輝かせている。

 それでも二人ともこの熱波の中で一度生死の境をさまよったこともあってかリーダーである俺が許可を出さない限り、というより一緒に来てくれないのならば危険だから諦めるつもりのようだ。

 ……だからこそ二人して左右から人の服に縋り付くように引っ張りながらおねだりしてくるわけで……うん、右手首が物凄く痛んでるけどこれに耐えかねた俺は頷くしかないって絶対わかっててやってるよね君達?

 

 そんな一応見た目は整っている女性二人に纏わりつかれている俺をハンスさんは羨まし気……ではなく同情したような目を向けてくる。

 多分ゴーレム捕獲に連れまわされて非常に苦労した記憶がこびりついてるんだろうなぁ。

 挙句の果てに俺達が遊んでいると勘違いしたルゥちゃんまで俺に飛びついてきた辺りで色々と耐え兼ねて結局フェニックス探索の許可を出す羽目になるのだった。




今回名前が出た動物

トビネズミ(ミッキー)
アルゲンダヴィス(アルケン)
フェニックス
ロックエレメンタル(ゴーレム)
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