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フェニックス探索の旅にハンスさんは付いてこないと即答した。
同じく連れて行くわけにはいかないルゥちゃんを見ている人が必要だからとのことだ。
……多分それ自体は本当だろうけれど前回のゴーレム捕獲での肉体及び精神的な疲労が残っているのもありそうだ。
だから俺とソフィアとキャシーの三人でクーラーを幾つも設置した移動拠点のメタルパララ君に乗って出かけることになった。
何せ仮にフェニックスを見つけられたとして、向こうの戦闘力は未知数なのだ。
捕獲しようとして戦闘になった時のことを思えば旋盤などの設備を背負っている普通のパララ君ではなく、金属の建材を鎧の様に着込んでいるこちらの方が色々と安全だと判断したのだ。
粘土で作った拠点と違い熱が籠りやすいが文明の利器であるクーラーが予備を含めて複数台稼働している状態なのでこの高熱の中ですら大した問題になりはしない。
まあフェニックスを含めた野生動物の攻撃で発電機を始めとした精密機器が壊れたら洒落にならないのだが、護衛として無傷のゴーレムとユウキィ君を連れているのでフェニックスが炎のブレスでも使ってこない限りは何とかなるだろう。
燃える鳥だからそれぐらいできても不思議ではない気もするけれど見た目しか特別間の無かったユニコーンと言う前例もある。
……尤もそういう特別な能力がないと今度は仲間にする意味をあまり感じなくなるわけで、ドッチだったとしても困るというかなんというか……まあ見つからないうちからそんなことで悩んでいても仕方ないのだが。
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取りあえずソフィアが見たという辺り……俺達が初めて出会った場所を中心に探索してみようという話になった。
早速メタルパララ君を操りゴーレムやユウキィ君達と一緒に移動を開始するが足が遅いので中々に進みが悪い。
もし本当にソフィアが見たのがフェニックスだったとしても現場から全く動かないなんてことはないだろうし、こんな速度でまともに探して回れるのか不安になる。
……いやよくよく考えてみれば見つからなかったら危険になることもないわけで不安になるのも変な話だ。
そんなことを考えつつメタルパララ君の操縦に集中する俺に対しキャシーは地形に気を配っており動物達が変に足止めを食らわないよう注意していてくれる。
残るソフィアは壁に囲われていないところで何台かのクーラーに挟まれて無理やり熱気に耐えながら望遠鏡と裸眼を交互に使い分けて空を眺め続けていた。
流石に喉が渇くのか定期的にサボテンスープを口にしているが、それでも絶対にその場を離れようとはしない。
空を飛んで移動しているであろうフェニックスを万が一にも見逃すまいと頑張っているようだが、その執念は一体どこから来るのだろうか?
……まあ貴重な動物というものは折にして求め始めると姿を見せなくなるものだし、その辺の厳しさをソフィア達にも味わってもらういい機会かも……ってな、なんか急に空を指さして騒ぎ出したけど……ま、マジですかっ!?
今回名前が出た動物
フェニックス
パラケラテリウム(メタルパララ君)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ユウティラヌス(ユウキィ君)
ユニコーン