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ライフルにちゃんと麻酔弾が込められているのを確認したソフィアは物凄く悔しそうな顔をしながら、フェニックスもゴーレムと同じく特殊な方法が必要そうですと呟いた。
ソフィアの言葉に遅れて俺もまたようやく俺は違和感の正体に気が付いた
フェニックスは翼に受けた衝撃でよろめいてこそいたが麻酔の効果によってふら付いているようには見えなかったのだ。
あれは特殊個体を始めとした麻酔で昏倒しない輩に共通する仕草であり、そいつらは仲間にできないか或いは別の方法で昏倒させるなりしなければならないのだ。
実際に大砲などで頭に衝撃を与えて気絶させるゴーレムを捕獲していたこともありキャシーもすぐに話を理解したようだが、途端に今度はメタルパララ君に乗っている大砲を無理やりぶち当てようとし始めた。
……確かに可能性は零ではないけれど、そうやって気絶させるタイプの動物には見えないんだけどなぁ。
と言うかそもそも大砲の威力に耐えられそうにない華奢な身体をしているから殺してしまいかねない気が……いやでもフェニックスと言うぐらいだしそう簡単には死なないのかな?
六百七十二頁目
フェニックスの動きは意外と早い上に頻繁に方向転換を繰り返すせいで大砲などと言う取り回しの悪い設備で狙うのは一苦労とかいうレベルではなかった。
しかもタイミングよく高度が下がっていないとそもそも届きすらしないため、流石のキャシーも数発ほど打ってみたところで諦めがついたようだ。
尤も物凄く未練がましく空の上を優雅に飛ぶフェニックスを睨みつけているが……とそこで持ち込んでいたらしいフェニックスの調査書を読み返していたソフィアが声を上げる。
そこにはフェニックスの飼い方が書かれていた、のはもちろん知っている。
しかし何というか文章が抽象的過ぎた。
曰く『フェニックスをなだめるのは文字通り火遊びをするようなものです。テイムが終わるまでに何度もフェニックスを炎上させることになるでしょう。その過程で塵や灰になる者を何度も目にしてきました』とのことだ。
こんな文章だからこそ前に読んだ時はてっきりフェニックスを捕獲に掛かるときは命を落とす覚悟を決めろ的な意味合いかと思っていた。
だけれど通常の方法で昏倒できない上に攻撃しても反撃してくる様子を見せないフェニックスを見ているとまた違う意味合いがあるのではとソフィアは言うのだ。
つまりは単純に文字通り炎を浴びせかけることが仲間にするための必要な手順なのではと……
今回名前が出た動物
フェニックス
ロックエレメンタル(ゴーレム)
パラケラテリウム(メタルパララ君)