六百七十三頁目
今まで多くの生き物と接してきたが確かに特殊な手順を踏まないと仲間にできない動物は結構いた。
その中には起きているときに口元に餌を運んで食べさせるタイプも結構いたわけで、ゴーレムが鉱石を餌にしているようにフェニックスが炎を主食とする生態ならばそれを浴びせかけて食べさせることが仲間にする方法だとしても不思議ではない。
何でこんな簡単なことに気づけなかったのか……というより何でまた調査書の一文を深読みしすぎてしまったのやら。
まあそれはともかくとしてやり方の目途が付いた時点で再び女性陣の目にやる気が灯りはじめ、改めて捕獲のための行動に移ることにした。
つまりはフェニックスに炎を浴びせ……空を飛ぶフェニックスに炎を……ど、どうやって浴びせればいいんだよっ!?
まず炎を浴びせる手段が思いつく限りでは火炎放射器か油壷を振りまいて火矢で燃やすぐらいしか思いつかない。
しかしどちらも効果の発揮させるには近づく必要があるわけだが、こちらの主な飛行手段であるアルケンは手綱から手を離すことができない。
それなのにどうやって着地せず空を飛び続けているフェニックスに炎を浴びせればいいというのだろうか?
……一応火矢で射抜くだけならばできなくもなさそうであるが、炎を浴びせると言うほど激しくは燃やせないだろうし食べやすいよう口元に刺さるよう地上から射抜くのは骨が折れる。
しかし他の方法なんか何も思いつきは……いや何かありそうな気がするけれど思い出したくないような……なんて思っている俺に対しキャシーとソフィアは炎と飛行生物の二つをすぐに関連付けてたようでほぼ同時に、ワイバーン!!との叫び声をあげるのだった。
六百七十四頁目
確かにワイバーンが炎のブレスを吐くところは見ている。
そしてヘレナ氏の日記にはワイバーンを仲間にできると書かれていた。
もちろんワイバーンは自力で空を飛べるわけであり、空から降りてこないフェニックスを丸焼きにするにはこれ以上ない最適解に思われる。
……問題はまだ俺達はワイバーンを仲間にする方法を確立できていない点にあるのだが。
それでも近々ワイバーンの谷を攻略する気だったキャシー達は目途が付いたと判断したのかフェニックスの捕獲を取りあえず今は諦める気になったようだ。
ただ念のため居場所を見失わないようこの天候が終わって姿を消すまで出来る限り後を追いかけたいようだ。
まあそれぐらいならばとメタルパララ君を操ってフェニックスに付いて回ると、そう大して時間も掛からずに熱気は収まっていった。
何だかんだで追いかけまわしたり日記を読み返したりしている間に時間が過ぎていたのだろう。
果たして熱気が収まるとどうなるのか見守っている俺達の前でフェニックスは一瞬固まったかと思うとそのまま燃えカスの灰のようになって地面へと落下していった。
慌てて落ちた場所へ向かってみれば地面に灰が積み重なっていたが、それもまたすぐに砂に染み込むように消えて行ってしまう。
……なるほど、調査書に書かれていた『砂漠の強烈な熱波によって生まれ、いわゆるこの“加熱”が終わることで、一瞬のうちに灰に戻る』というのも文字通りの意味合いだったのか。
つまりはまたあの凄まじい熱気に包まれる天候になるとこの灰からフェニックスが再び復活するのだろう。
……あれ? それじゃあもしも仲間にできてもフェニックスはあの天候の時以外はずっと灰になっていてほとんど役に立たないんじゃ……?
今回名前が出た動物
フェニックス
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ファイアワイバーン
パラケラテリウム(メタルパララ君)