二百三十一頁目
作業場の外に作った簡易トイレで改めて用を済ませて手を洗って出ると、フローラもまた恥ずかしそうにしながらもどこかスッキリした様子で姿を現してきた。
そして今度こそ家庭菜園づくりを始めるのだと意気込みながら、拠点の防壁に移動用のドアを付けた隣に専用の部屋を作り水道を伸ばし始めた。
とりあえず石である程度、周囲を囲んだところで安全だと判断して俺は山の頂上から素材を回収してくると告げるとやっぱり作業の手を止めて一緒に来るというのだ。
だけどいつまでもそんなことをしていたら効率が悪くて仕方がない……遠出するときは絶対に連れて行くからと、日が落ちる前には帰ってくることを約束すると、ようやく渋々と納得してくれた。
そしてアルケン君も貸してくれて、久しぶりに山頂に向けて飛び立つとやはり再生していた資源から素材を回収していく。
その最中に今度はアルケン君の同種が襲ってきたが、むしろ好都合だった。
何度も麻酔矢で打って、逃げ出したところを目測で打ち落とすことに成功した……意外と俺も射的が上手くなっている気がする。
それはともかく、すぐ落ちたところへと向かって行き餌をあげつつ周囲を警戒していると大型の蠍がこちらへ向かってきていた。
だから咄嗟にアルケン君に乗って、寝ている仲間を傷つけないように鍵爪で掴み上げて……この状況を利用すれば鍵爪で掴めるサイズの動物なら幾らでも仲間に出来ることに今更ながら気づくのだった。
二百三十二頁目
新しいアルケン君……長距離の旅に利用することになるからタヴィちゃんと名付けた子を連れて帰るとフローラがニコニコしながら出迎えてくれる。
だけど俺の乗るアルケン君が掴んでいる蠍を見るとすぐに悲鳴を上げて逃げ出そうとしたが、そんな彼女に屋根が空いていて四方を窓枠が付いた壁で覆われた拠点を作ってほしいと頼んだ。
嫌そうにしながらも俺のお願いに渋々フローラが土台九個ほどを並べた拠点を作ると、その中に蠍をあえて放った。
もちろん四方を壁で囲まれているから外に出ることも出来ず、石の壁を傷つけることも敵わないでいる蠍を窓枠から麻酔矢で打っていくと問題なく眠らせることができた。
これは前にいくつか作った落とし穴風の拠点の改良版というか、アルケン君で利用できる形にしたものだ。
これならアルケン君がつかめる生き物なら問答無用で仲間に出来る……実際に蠍も仲間にすることができたではないか。
……問題は仲間にした蠍をカエルと並ばせるとフローラが物凄く嫌そうに悲鳴を上げる点だが……わざわざ隔離用の拠点まで作られてしまった。
……カエルが吐き出したセメントを使ってトイレを作ったのは内緒にしておこう。
【今回名前が出た動物】
アルゲンタビス(アルケン君・タヴィちゃん)
プルモノスコルピウス(大型の蠍)
ベールゼブフォ(カエル)