ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第761話

六百八十頁目

 

 シャルル少年との挨拶が終わったところでモーリツさんは他に連れて行く人についても軽く説明してくれた。

 尤もその人たちはモーリツさんとは別行動しており、もう少し南下したところに無数の三角錐のように隆起している地形があり、そこにある水源の傍に集まっているらしい。

 彼らは一応集落染みた物を作って生活していたらしいが上手く行っていないようで、つい先ほど様子を見に行ったところ我慢の限界だから一か八か外周部の砂漠を突っ切ってもっといい土地を目指そうとしていたとのことだ。

 

 ……まあこんな場所で暮らしてたら心が折れるのもわかるけれど、多分少し前に起きたあの物凄い熱気が止めになったんだろうな。

 そんな彼らは今現在出発する準備をしているようで明日の朝一に出発するつもりのようだ。

 それを聞いたモーリツさんはシャルル少年にここから出られない現実を教えるいい機会だと判断して便乗させてもらうことにしたのだ。

 

 もちろん自分達でも最低限身の回りを守れる程度には準備するが、俺達が護衛を引き受けてくれるのならば明日の朝までに支度を済ませて井戸のある場所で合流してほしいという。

 そこまで聞き終わったところでゴーレムを連れたキャシーとハンスさんの乗るアルケン達がパララ君二号の背中に降り立ってきた。

 そのままキャシーは素早くモーリツさんの視線からソフィアを背中に庇おうとして……彼女の顔に涙の痕があるのに気づくとギロリとモーリツさんを睨みつけた。

 

 ……それは色々と勘違いなんだけれど、キャシーは本当にモーリツさんを警戒してるんだなぁ。

 実際に俺達がモーリツさんからの無線を受けて会いに行くと言ったらこうして護衛代わりのゴーレムを引き連れてすっ飛んできたほどだ。

 ちなみにルゥちゃんには直ぐに戻るからとお留守番してもらい、暇ならば調理なべや科学作業台で薬や火薬を作っておいてもらうよう頼んである。

 

 ……オウ・ホウさんが付いているから大丈夫だろうけれど、火事を起こしたりしないかちょっとだけ心配だなぁ。

 

六百八十一頁目

 

 とにかく今すぐにでもこの場を離れたがっているキャシーであったがシャルル少年が新たに来た二人に丁寧な挨拶をしつつゴーレムを仲間にした方法……御業だとか奇跡の起こし方だとか大げさな言いかたをしながら聞いてこられたせいか一転して困惑した表情になる。

 尤もそんな二人も俺とモーリツさんが彼の身の上について耳打ちするとすぐにソフィアが涙を流した訳を悟ったようだ。

 実際にこちらも感極まったらしいキャシーが例のごとく抱き着きにかかり、思いっきり胸元に顔が埋もれたシャルル少年は顔を赤くしながら、このような真似はいけませんと慌てて離れようとする。

 

 そんな少年らしい一面が見れて俺は何となくほっとしてしまう。

 ソフィアもそうなのか涙を拭うと改めて俺に護衛を引き受けるのか尋ねてくる。

 ……元々約束していたというのもあるが放っておけば人が命を落としかねない状況を無視したくはない。

 

 それでも俺一人の気持ちで決めるのではなくちゃんと他の皆の意見も聞くべきだろう。

 そのためにも一旦拠点に戻ってルゥちゃんも含めてから話し合ってから結論を出そう。

 尤も既にこの場に居る俺の仲間達はシャルル少年の事が気にかかっている様子なので結論はほとんど出ているようなものだ。

 

 ……もしかしてモーリツさん、これを狙ってあえてシャルル少年を先に顔合わせさせたんじゃないのか?




今回名前が出た動物

ロックエレメンタル(ゴーレム)
アルゲンダヴィス(アルケン達)
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