ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第768話

六百九十五頁目

 

 相変わらずシャルル少年だけは冷静に動物の立ち位置を調整して、周りの雑魚に警戒しつつゴーレムの後ろから援護する形で針トカゲに針を飛ばさせて援護してくれていた。

 ぶっちゃけその針は大した威力がないのであまり役に立っているとは言えないが、それでも的確な動きであることには変わらない。

 初めてサンドワームを目の当たりにしていながらよくぞまあここまで落ち着いて立ち回れるものだと感心すらしてしまう。

 

 それこそ他の人達の様に……とまではいわないが反射的に逃げたくなってもよさそうな物なのに覚悟が決まりすぎている、というより死を恐れていないような気さえする。

 ……シャルル少年の生い立ちを考えるとあながち間違っていなさそうなのが怖いところだ。

 これはこれで他の人達とは違う意味で危ないから目を離さないようにしたほうがいいだろう。

 

 そんなことを考えているうちにコレオちゃん&カルちゃん軍団によりズタズタにされ出血死したサンドワームの巨体が物音を立てながら砂漠に沈み込んでいく。

 体内から他の場所では手に入らない貴重な資源が回収できることもあるので素材ごとしっかり採取しつつ、また騒乱している皆が落ち着くまでの時間を利用して豚に味方の傷を癒してもらうことにした。

 尤も今回はゴーレムを盾代わりに配置していたためそこまで傷は……いや重傷というほどではないけれど結構身体が削れているな。

 

 まあ何故か豚の治療がこの岩の身体にも効果があるみたいなので問題はないのだが、どうもこの調子だとゴーレムの戦力はサンドワームには劣るようだ。

 ……というか考えてみれば俺達ですら未だサンドワームを出血死という特殊な方法で葬るばかりで正面からまともに殴り合って勝ったことはない。

 だからこれはゴーレムが弱いというより俺達が思っていたより遥かにサンドワームがヤバい生き物だったということだろう。

 

 実際問題、大きさもあって下手な特殊個体よりずっと厄介な……ふと思ったがこいつの特殊個体とかいたらヤバいのではないか?

 いやでも前の島でこいつ並みに厄介だったギガノトには特殊個体が居ないようであったし流石にない……と言い切れないのがARKの恐ろしいところだし警戒するに越したことはなさそうだ。

 

六百九十六頁目

 

 本当にどうしてこうARKでは嫌な予感ばかり的中してしまうのだろうか。

 再び進みだし大きな砂丘を登り始めていたタイミングでまたしても地面が大きく揺れ始めた。

 二度目ということもあり最初は皆も落ち着いていたが、その振動は前の時とは比べ物にならないほど大きくなっていった。

 

 これはヤバいと皆に下がるよう叫ぶのとソイツが砂を激しく吹き飛ばしながら姿を現すのはほぼ同時だった。

 サンドワームとほとんど変わらないフォルム……ただサイズが一回りも二回りも大きくもはやゴーレムですら対比すると子供のようである。

 しかも周りの空気が歪んで赤く見える様なオーラを纏っていることもあり、間違いなくサンドワームの特殊個体だ。

 

 当然その攻撃も普通のサンドワームを上回る威力であり、あの頑丈なゴーレムの身体が一撃ごとに欠けていくのがはっきりわかるほどだ。

 ただ唯一救いなのはコレオちゃん&カルちゃんたちの出血攻撃が有効であったこと。

 特殊個体は頑丈さも普通の個体と比べ物にならない程に高いが出血死を狙うのならばそこまで倒しきるまでにかかる時間は変わらないだろう。

 

 ……問題はこちらの動物達が耐えきれるかの方にあるのだが。




今回名前が出た動物

ロックエレメンタル(ゴーレム)
モロクトカゲ(針トカゲ)
デスワーム(サンドワーム)
ティラコレオ(コレオちゃん)
カルノタウルス(カルちゃん)
ダエオドン(豚)
ギガノトサウルス
αデスワーム(特殊個体のサンドワーム)
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