ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第769話

六百九十七頁目

 

 ユウキィ君の仲間の動物を勇気づける咆哮に加えて豚の治療も同時に行いつつの全力戦闘を展開する俺達。

 まさに守護者との戦いでも行う必勝の布陣だが、それでもなお特殊個体のサンドワームはかなり大暴れしてくれた。

 凄まじい攻撃は身体の大きさもあって複数体の重量級なゴーレムをも後ずさりさせるほどで、盾として隙が出来てしまう。

 

 お陰で他の動物も巻き添えを食ってしまう時があり、高品質サドルをつけているコレオちゃん達はともかく普通のサドルしかつけていないカルちゃんたちはあっという間に痛々しい姿になっていった。

 ただ大きくなっても普通のサンドワームと変わらず殴るだけしか能がない相手では俺達に敵うはずがなかった。

 数の暴力に加えて出血を伴う攻撃で全身をズタボロにされたことで特殊個体のサンドワームもまた少ししたところで普通のサンドワームと同じようにあっさりと崩れ落ちて行った。

 

 尤もそれまでの間にカルちゃんが数匹ほどやられてしまったのは流石というか恐ろしい奴であった。

 これでもし毒を使ってきたり或いは炎を吐いたりなどの特別な能力まであったらヤバかったはずだ。

 ……まあ終わってみれば本当にワイバーンや守護者と戦う前のいい肩慣らしになったような気もする。

 

 特にゴーレムの戦闘能力、というより頑丈性が確かに頼りにはなるが余り過信しない方が良いと事前にわかったのは大きな収穫だ。

 

六百九十八頁目

 

 特殊個体のサンドワームを倒して何とか一息ついた俺は改めて状況を確認すべく周りを見回して……思わずため息をついてしまった。

 何故なら一緒に居た人達がシャルル少年を除いてどこにも見当たらなくなっていたからだ。

 代わりに足回りが弱い動物の何匹か恐らく主が居るであろう方向にノソノソ移動している後姿だけは確認できたのだが、それすら全部バラバラの方向に向かっていた。

 

 ……そりゃああんな化け物が出て来て俺達の動物ですら苦戦するところを見たら恐怖に駆られるのも無理はないかもしれないが、万が一にも俺達がやられそうになったら助けられるよう近くで見守ろうとは欠片も思わなかったのだろうか?

 今まで協力してきた仲間達は危険が迫っていたら自分の身も顧みず助けようとしてくれる人ばかりだっただけに、この現実にはちょっとばかりショックを受けてしまう。

 どうも俺は無意識のうちに彼らとはまだ打ち解けられていないだけでいざとなれば協力し合える関係になれると思っていたようだ。

 

 あれだけの戦闘を終えた後というのもあってかドッと疲れが出てきてしまうがここで休むわけにも行かない。

 取りあえずアルケンで軽く近場を探して合流できそうな人がいないか探すとしよう。




今回名前が出た動物

ユウティラヌス(ユウキィ君)
αデスワーム(特殊個体のサンドワーム)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラコレオ(コレオちゃん)
カルノタウルス(カルちゃん)
ファイアワイバーン
アルゲンダヴィス(アルケン)
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