ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第771話

七百一頁目

 

 目論見通りサンドワームは二体ほど反応したが正面の方から襲ってきたためいつもの戦法で返り討ちにすることができた。

 その際に消耗が激しい動物がまた何匹か失われることも覚悟していたのだが豚が常時回復していることもあってかギリギリのところで耐えてくれた。

 尤も主戦力であるコレオちゃん達は高品質サドルをつけていることもありまだまだ戦える程度には軽症で済んでいた。

 

 代わりに矢面に立って敵の攻撃を引き受けていたゴーレム達の身体には目に見える罅割れが入っており、また普通のサドルしか装備していないカルちゃん達に至ってはズタボロで瀕死に近い状態になってしまったが、どのみち生きてさえいれば豚で治療できるのだから何の問題もない。

 残る二体のサンドワームが反応しないよう距離を取ってから早速治療のために休憩を行うことにした。

 

 その間に一応モーリツさんには無線機でこの状況を報告しておくことにする。

 仮にも彼が主導で人々が集まっていただけにシャルル少年を除いて他の人が戻ってこないとなったら俺達だけでなくモーリツさんの評判も悪くなるかもしれない。

 せっかく頼って貰ったのに不甲斐ない……と内心申し訳なさを抱えながらの連絡であったが、モーリツさんは大して気にしている様子はなかった。

 

 まるでこうなるのが分かっていたかのような態度ですらあったが、話を聞いてみると実際にシャルル少年以外は殆ど脱落すると思っていたようだ。

 曰く、彼らはシャルル少年の様に強い信念の元に帰ろうとしているわけではなく単純にこの場所の恐ろしさに耐えきれず逃げ出そうとしていただけの集団とのことだ。

 そんな彼らは元々所属していたトライブ……と言うにはちょっとお粗末なためトライブもどきとも言うべき集団の中でも自分勝手な主張ばかりしていたこともあり追放処分に使い扱いになっているため、誰も戻らなかったとしても特に問題にはならないだろうと言う。

 ……モーリツさんは言及していないがひょっとして今回の遠征はそういう輪を乱すだけで何の才能もない輩を追い出すための口実だったのではないか?

 

 そしてこの結果を予期していたからこそ色々と甘い俺達へ下手に彼らを紹介して名前を顔を覚えさせたら情が移って面倒なことになると判断して、見どころのあるシャルル少年以外を紹介しなかったのではないか、なんて勘繰りまでしそうになる。

 ……実際何処までモーリツさんが考えを巡らしているのかわかるはずがないが、何というか完全に読み切られているというか上手く使われているというか……やっぱりこの人は悪人ではないにしても一筋縄ではいかない人みたいだ。




今回名前が出た動物

デスワーム(サンドワーム)
ティラコレオ(コレオちゃん達)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
カルノタウルス(カルちゃん達)
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