七百五頁目
帰りは今まで敵を処理して来た道を逆に辿ることになるために殆ど戦いになることはなかった。
例の倒さなかった二体のサンドワームも他の動物を追いかけて行ったのか姿を見せず、行きとは打って変わって平穏な旅路であった。
もし行く時もこうであれば同行者を誰一人として失わずに済んだのに……改めて守れなかった人達に対する申し訳なさが湧き上がってくる。
だからまたこんな機会があればその時は先に俺達だけで順路を進み敵を一掃した後で同行者と一緒に行動しようと決意する。
同時に唯一無事でいるシャルル少年だけは絶対に無事帰らせようと、敢えてメタルパララ君の上に乗せた状態で移動をすることにした。
その上で気を抜かず周囲を警戒し続けるが、襲ってこなさそうな距離にカマキリがポツンと一匹だけでうろついているのを見かける程度であった。
普段は群れてばかりいるカマキリが一体だけでポツンとしてるのも珍しいなんて思いながら万が一にもこっちの方に近づいてこないか視界の隅に収めているうちに、ふと防虫剤を使って手渡しで餌を与えられるか試すのにこれ以上ない打ってつけな状態だと気が付く。
だけど今回はシャルル少年を連れて帰るのを優先するべきだろうと諦め……かけたところで俺の様子に気づいたらしいシャルル少年が、あの生き物がどうかしましたかと尋ねてくる。
隠す必要もないため素直に答えたところシャルル少年はむしろ乗り気で、是非とも後学のためにも同行させていただけませんかと提案してくるのだった。
七百六頁目
どうやらシャルル少年は後々のためにも多くの動物を仲間にしておきたいようで、そのためにも捕獲方法について学ぶ気満々のようだ。
思い返してみればゴーレムやメタルパララ君を見た時もどうやって捕獲したのかについて詳細に尋ねていた。
動物を操る才能といい集めたがる癖といい少しキャシーに似ている気がする。
尤も個人的趣味で全種類の動物を集めようとしているキャシーに対してシャルル少年の熱意は使命感から来るものであり、動機に関しては真逆と言っていい。
だから多分シャルル少年は動物の種類を揃えるよりも戦力になる動物の数を揃える方を重視しているように思われる。
実際にシャルル少年は、カマキリの後はあの巨大なワームの捕獲も試みているのですか?と重ねて問いかけてくる。
他にもこの外周部の砂漠で戦った動物は居たのだが一番強いサンドワームとその次に強いカマキリにしか興味を示していない辺り、間違いないと思う。
……しかし言われてみればサンドワームに関しては戦闘のどさくさで麻酔が効かないことは知っているが仲間にできないか真面目に検証したことはなかったな。
ゴーレムの様に頭に衝撃を与えたら効果があるかもしれないし、もしも次また見かけた時は大砲をぶっ放してやるとしよう。
今回名前が出た動物
デスワーム(サンドワーム、巨大なワーム)
パラケラテリウム(メタルパララ君)
カマキリ
ロックエレメンタル(ゴーレム)