ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第777話

七百十一頁目

 

 モーリツさんの危惧をようやく理解して思わず俺は頭を抱えてしまう。

 これまで見てきたシャルル少年の立ち振る舞いからは粗暴さは感じられないが宗教関連となると話が違ってもおかしくない。

 万が一のことを思えばルゥちゃんの居る拠点にシャルル少年を連れて行くのは不味い気がする。

 

 ただ今後もモーリツさんと俺達のトライブの関係は続いていくのだ。

 そうなれば何れお互いのメンバーが顔を合わせる機会が来ないとは言い難い。

 もしも俺がここの守護者を倒して他のARKへ移動した後に起きてしまえば残された面子で対応に当たることになる。

 

 仮にもリーダーとしてそれは申し訳ない、というより仲間を残して行く以上はその前に可能な限りトラブルの種は取り除いておきたい。

 そう考えると今の時点でもう邂逅を済ませてしまった方が何か起きても俺も対処に当たれるためいい様な気もする。

 ……いや事態を先送りにしてもろくな結果にならないだろうし、それこそ俺達が居ないタイミングで何かの偶然から二人が顔を合わせたりする可能性も全く零ではないことを思えばやっぱり早めに済ませておくべきだろうな。

 

七百十二頁目

 

 俺の意見に他の二人も賛同してくれたことで、取りあえず一度シャルル少年を俺達の拠点へ連れて行くことになった。

 もちろんその際にシャルル少年が何かしらトラブルを起こしたらすぐに帰って貰うことになっている。

 そう取り決めをした上で早速モーリツさんと別れて自分達の拠点へ帰り始める俺達。

 

 その道中で空を見上げると太陽はもう結構沈んできていた。

 飛行生物を使わず地上を歩いて移動していたことと度重なるサンドワームやその特殊個体との戦闘、更には動物達を癒すための休憩をとったりしたことで想像していたよりずっと時間が掛かってしまったようだ。

 これでは拠点に残っていた女性陣も心配していそうだと先に無線で連絡を入れることにした。

 

 もちろん即座に反応が返って……こない。

 てっきりすぐにでも無線を手に取ると思っていただけに拍子抜けするが、そんな俺に対して隣に居るハンスさんは何やら疲れた様なため息をついていた。

 ……ああ、そういえば少し前に俺が洞窟から帰る時もこんな風に無線の連絡がつきづらかったっけなぁ。

 

 あの時は確かハンスさんがキャシーに連れまわされる形でゴーレムを捕獲して回っていたはずだが今回も……いやでもそのために必要な大砲を背負ってるメタルパララ君は俺達と一緒に居るわけだし流石にないよな?

 なんて思いながらもう一度無線で連絡を入れたところ、物凄く雑音混じりながらもたどたどしい声が返ってくるのであった。




今回名前が出た動物

デスワーム(サンドワーム)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
パラケラテリウム(メタルパララ君)
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