七百十五頁目
ああ、本当に面倒なことになった……
キラキラと光を放ちながら重力を無視して空中を移動するオウ・ホウさんについて説明してもシャルル少年はどうにも納得してくれない。
まあロボットという概念すらない時代から来ているのだから仕方がないのだが、これまた厄介なことに一緒に居るルゥちゃんがこのキラキラは天使様だと言ってしまったのだ。
ルゥちゃんに関しては絶対に説明しても理解できないだろうし、何よりオウ・ホウさんのことを天使のような存在だと思っていてくれた方が言うことを聞いてくれるからと誤解を解こうとしなかったのがまずかったようだ。
実際に一緒に居るルゥちゃんからこう言われてしまえば、もうシャルル少年の中でもオウ・ホウさんは天の使いになってしまったようだ。
それこそ当のオウ・ホウさんが必死に否定しているのにも関わらず、むしろ信仰心を試そうとしているとでも思っているのかわかっているとばかりに頷きこそするが言葉遣いも仕草も崇高な存在を前にしたかのように一段と恭しい。
その上でオウ・ホウさんが常に傍に居るルゥちゃんの事は選ばれし者だと思っているようで……この辺のことは宗教に詳しくない俺にはわからないが、とにかく彼女に対してもまた恭しく接し始めている。
…………この誤解が解けたときが何だか物凄ぉく恐ろしい気がするけれども、取りあえず当面は諍いという最悪の展開だけは免れられそうだから良し……と思っていいのだろうか?
七百十六頁目
どうしてっ!! こうもっ!! 厄介事がっ!! 立て続けにっ!! 起こるんだよっ!?
せっかく一番の危惧であったルゥちゃんとシャルル少年の邂逅が無事に終わりようやく一息つけるかと思ったのにっ!!
確かにここのところ緑のオベリスクの麓にあるこの拠点を中心に活動していたからそろそろ襲撃イベントが始まるだろうとは思っていたさっ!!
けどまさかラプトルや豚の群れに交じってゴーレムが二体も同時に襲ってくるだなんて酷すぎるだろっ!?
最初の襲撃は比較的弱い勢力で攻めてくるはずだったのに何がどうなって……なんて考えている場合じゃないっ!!
ゴーレムが移動する際に発する地響きのお陰で距離のあるうちに気づけたのは良いが、ただでさえ頑丈なゴーレムが傷を癒す力のある豚と組んで襲ってきているのだから全力で迎撃に掛からないとシャレにならない被害が出かねないぞっ!!
しかしキャシーもソフィアも居ない今、俺とハンスさんで何とかするしかない。
先ほどの遠征の疲れも抜けていないのだが何とか傷だけは癒えている動物達と協力して迎撃……ってなんかルゥちゃんが捕獲するのかって何度も聞いてくる。
どうやらキャシー達が何体もゴーレムを捕まえているところを見ていたせいか今回も捕獲すると思い込んでいるようだ。
しかも自分も役に立ちたいのか手伝いと言い出しているが、流石にゴーレムの相手は危険すぎる。
何かの間違いで岩投げが直撃したらそれだけで大惨事なのだから拠点で大人しくしていて欲しいのだが、さらにそこでシャルル少年がルゥちゃん……殿の代わりに自分が行くと言い出して聞いてくれない。
……こんな話し合いしている間にもゴーレムが拠点に迫って……ああもう、こうなったらシャルル少年にも手伝ってもらおうっ!!
今回名前が出た動物
ユタラプトル
ダエオドン(豚)
ロックエレメンタル(ゴーレム)