七百二十一頁目
本当に今日はトラブルが目白押しだ。
お陰で精神的にも肉体的にも物凄ぉく疲れてしまったが、状況を整理しないまま倒れるわけにも行かない。
取りあえず突然の飛行生物の群れが乱入した驚きでシャルル少年が静かになってくれたので、この隙に戻ってきたキャシーとソフィアの事情を先に聞いておくことにしよう。
……と思ったのに二人とも俺達に負けず劣らず疲れ切っているようで、後で説明するから今は少し休ませてほしいと言ってくる。
こうなると無理強いするのも悪い気がして、またちょうど日が落ちて周囲が真っ暗になったこともあり先に夕食を取ってしまうことにした。
もちろんカンガちゃんに乗ったまま移動しようとするルゥちゃんを見てまたシャルル少年が騒がしくなりかけたが、当のルゥちゃんのお腹が鳴ると余計なことで時間を使わせるのが申し訳ないとばかりに再び静かになってくれた。
お陰で何とか夕食だけは落ち着いて食べる事ができた……と言えればよかったのだが、また一騒動起こってしまう。
尤も今回のはルゥちゃんが自発的に食事の準備を仕様とするのを見てシャルル少年が恐れ多いと給仕役を買って出ようとしたり、そんなシャルル少年を見て遅れて彼がここにいることに気が付いたソフィアが事情を尋ねてきたり、キャシーに至ってはモーリツさんも来ているのではと疑って身構え……本当にバタバタした一日だったなぁ。
まあ後は炎の周りで踊るルゥちゃんを見て和むだけだ。
……今日ばかりはいつも以上に癒されそうな……そ、そういえばこれって一応儀式めいた行いなわけでシャルル少年が反応する可能性が……こ、これ以上ワチャワチャするのは勘弁してくれぇ。
七百二十二頁目
どうやらシャルル少年は俺の想像以上にルゥちゃんを神聖視しているようだ。
だからルゥちゃんが炎の周りで舞い始めても変なケチをつけるどころか、むしろ光栄とばかりに魅入っていた。
尤も色々と一緒にやりたい盛りなルゥちゃんが前に俺達を誘ったようにシャルル少年を踊りに誘い始めると途端に困ったような顔で恐れ多いと必死に首を横に振り始めた。
けれども最終的にルゥちゃんのお願いを断れなかったシャルル少年はオズオズと炎の前に出ると……踊りのような変な動きを繰り返し始めた。
……そうかシャルル少年も踊りとかは駄目なタイプか……なんか急に親近感が湧いてくるなぁ。
それに誘ってくれたルぅちゃんに申し訳ないと思っているのか、純粋にぜんぜんダメな自分が情けないのか、ずっと困ったような顔をしているシャルル少年はそれまでとは違って年相応の子供に見えた。
そんなお子様二人が炎の前で踊っている姿にようやく心の方は和んできた。
他の皆も同じようで、特にキャシーはモーリツさんとは違うと判断したのかシャルル少年に対してそこまで警戒した様子もなく、トライブに同行させることにも反対はしなかった。
ソフィアも同意見とのことだしルゥちゃんも一緒に踊っていて楽しそうなのだからシャルル少年の受け入れに関しては話がまとまったと思っていいだろう。
そこまで話したところで今度こそキャシー達の事情を聴いてみると、二人は物凄く疲れたと重ねて口にしながら、アレを捕まえるのに苦労したのデスと連れてきた飛行生物の方を指さした。
近くに着地している無数の飛行生物……とはいってもモスラの同種ばかりなのだが、今更こいつらを捕獲するのに苦労するとは思えないのだが……ん? モスラの同種に交じって見覚えのあるトサカが……あれはペヤラちゃんの同種じゃないか?
今回名前が出た動物
プロコプトドン(カンガちゃん)
リマントリア(モスラの同種)
タペヤラ(ペヤラちゃんの同種)