ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第787話

七百三十頁目

 

 カマキリは大抵三体ほどで群れており、このままではサボテンスープと防虫剤の効果があっても安全に餌を与えるのは難しい。

 しかしここでも俺とキャシーとシャルル少年が分かれてアルケンに乗り個別にヘイトを向けさせて無理やり別れさせることができた。

 これで後は一旦距離を置き単独になったカマキリが警戒心を解いた頃合いを見計らって再度アタックを仕掛ければいい。

 

 それまでは別のところをうろついて回り、またカマキリを見つければ同じことをしてそれ以外の生き物は全て血祭りにあげていく。

 特にサンドワームは角欲しさもあって砂煙を見つけた時点で先ほどと同じようなやり方で奇襲をかけてまで優先して退治していった。

 尤も探し始めると見つからないのはお約束のようなものであり、結局二体しか狩ることはできなかった。

 

 代わりに外周部の縁にある小さい山のような地形に擬態しているゴーレムはソフィアが何体も見つけてくれた。

 こちらもそれなりに密集していたがやはり俺達三人で無理やり距離を取らせたり急斜面を滑り落とすなどして無理やり孤立させることができた。

 後は仲間のゴーレム達を盾にして大砲を頭に打ち当てるだけだが、これに関してはハンスさんとキャシーが手慣れたもので的確に打ち抜いて昏睡させてくれた。

 

 ……人数だけならば昨日外周部の砂漠へ出向いたときの時が多かったにもかかわらず今の方がずっと楽なのは個々人の優秀さもあるだろうが、それ以上にチームワークがしっかり機能しているということだろう。

 本当に良いトライブになったものだ……いやまあ今回のカマキリ捕獲行みたいに時折目的が暴走するのが玉に瑕だけれども、こればっかりはARKで目指すものがそれぞれ違うのだから仕方のないだ。

 むしろリーダーとしてこういう些細な問題が笑いごとで済むように……それこそ諍いや致命的な決裂に繋がらないように気をつけないとな。

 

七百三十一頁目

 

 ゴーレムを捕獲するに当たって一回だけ殆どの作業をシャルル少年一人でやってもらうことにした。

 当の本人が自力でも捕まえられるようになりたいと言うので安全を確保した上で任せてみたのだ。

 大砲の弾の調合だけ手を貸すが、後は盾役などへの指示だしから大砲で相手の頭を打ち抜くところまで全部シャルル少年が一人で熟すことになる。

 

 流石に手数の足りなさで苦労していたが何度かキャシーにアドバイスをもらいながら必死に頑張ったところ、本当にシャルル少年は一人で成し遂げてしまった。

 ……幾らやり方が確立しているとはいえ一発で成功させるとは本当に優秀な子だ。

 そうして自力で仲間にした個体なだけにかシャルル少年にとってそのゴーレムは特別な存在に思えるようで、いつぞや初めて自力でアルマジロを仲間にしたキャシーのように微笑みながら親し気に手を伸ばしている。

 

 そんなシャルル少年の姿にキャシー自身も思うところがあるのか何度もうんうんと頷きながら慈愛の籠った眼差しを向けていた。

 ……というか一人で捕獲してみると言った時点から既にキャシーは温かい目で見守り続けており、何なら熱心に動物の事を聞かれては丁寧に答えている辺り弟子を持ったような心境なのかもしれないな。

 

 

 

 

 

 そう、キャシーのソレは要するに趣味の合う相手を先輩として微笑ましく見ているだけであって特別に親しい間柄故のものではないわけで……だからもうキャシーと十分仲が良いソフィアもハンスさんは危機感なんか持たなくていいですから対抗して一人で捕獲しようだなんて言い出さないでください。




今回名前が出た動物

カマキリ
アルゲンダヴィス(アルケン)
デスワーム(サンドワーム)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
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