七百三十六頁目
ワイバーンの谷は赤いオベリスクの近くにあるが、地上を歩いて移動するゴーレム達ではたどり着くまでに時間が掛かる。
そのため飛行生物に建材などを詰め込んで先に現地で罠を建造する組と地上を歩いて動物を運搬する組に別れることにした。
ただゴーレムを操って移動する係のほうは追従させる個体も含めて地形に引っかからないよう動物の扱いが上手い者が居た方が良い。
しかしワイバーンの谷に向かう方も相手が相手なだけに万が一の事態に備えるためにも、やっぱり動物の扱いに慣れている人間が多くいた方が安全だ。
だから自然と今までは俺とキャシーが二手に分かれることになっていたが今回は有難いことに同じぐらい動物を操れるシャルル少年が居てくれる。
お陰で俺とキャシーと観察力がありワイバーンの動きなども適切に察知してくれるであろうソフィアの三人でワイバーンの谷へと向かうことになった。
……正直凄く助かる、これならもしもあのワイバーンに襲われても俺とキャシーでモスラの同種に攻撃の指示を出す役と他の皆を撤退させる役を分担できるのだから。
逆にシャルル少年が居なかったら俺一人でやらなければいけなかったわけで……そんなことになったら責任の重さで胃に穴が開きそうなほど苦悩させられたことだろう。
このタイミングでシャルル少年が仲間に居てくれて本当によかった……何ならモーリツさんも居てくれたらより盤石になりそうだが、幾らリターンが大きいとはいえ流石にこんなリスクの大きい行為にはつきあってくれないだろうなぁ。
七百三十七頁目
空を飛びながら炎を吐けるワイバーンは誘導するだけでも危険だ。
そのため捕獲用の罠は出来る限り近い場所に作る必要がある。
巨体なワイバーンを嵌める罠はそれなりにスペースを取るが、ワイバーンの谷がある場所は外周部の砂漠という開けた場所なのでその点は問題ない。
むしろ厄介な生き物が多いため邪魔者を駆除する作業の方に苦労する。
特にティラノどころかギガノトですら壊せない金属の建材を酸で溶かしてしまうムカデには要注意だ。
もちろんサンドワームにも警戒しなければいけないが、あいつらは体格の大きさもあって基本的に外周部の砂漠の奥の方に潜んでいる。
それに対してワイバーンの谷は外周部の砂漠に入ったばかりのところにある上、その近辺は硬い岩のような地形で囲まれていることもあり、ここにあの巨体が潜って潜むのは難しいだろう。
流石にワイバーンとサンドワームが同時に襲ってきたらシャレにならないのでARKの設計者もその辺のことを考えてこういう地形にしてくれたのかもしれない。
……或いは単純にワイバーンもサンドワームも攻撃性も縄張り意識も高そうだから下手に生息圏を重ねたら野生の個体同士で永遠と殺し合い、その結果として個体数の調整のためのリソースを無限に食いかねないと危惧しただけかもしれない。
とにかくサンドワームについては最低限警戒しておけばいいとして、ムカデの方は確実に見つけ次第処理していかなければいけない。
ただムカデは下手に攻撃すると体内の酸が返り血のように溢れ出て結構痛い目を見るわけで駆除には神経を使う必要がある……のだが今回に限っては例外であった。
何故ならムカデはアルケンで掴み上げることができるので、さっと持ち上げた後でマグマの流れているワイバーンの谷に向かって投げ入れてしまえばいいのだ。
硬い岩のような地形により自然の塹壕のような形になっている谷間に落ちてしまえば飛行能力も無ければ壁にも貼り付けないムカデにはもう這い上がる手段はないのだから。
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ファイアワイバーン(ワイバーン)
リマントリア(モスラの同種)
ティラノサウルス
ギガノトサウルス
アースロプレウラ(ムカデ)
デスワーム(サンドワーム)