七百四十二頁目
……どうやら俺達は攻略する順番をどこかで間違えてしまっていたらしい。
矢を射かけてこちらに気が付いたワイバーンが一体だけで向かってきたのを見て、まずは小手調べとばかりにゴーレム軍団の元へ誘導して戦わせてみた。
するとあっという間に……いや本当に文字通りあっと言葉を漏らすまでもなくワイバーンはくたばってしまった。
野生の動物故か距離を取って炎を吐くような真似もせずゴーレム軍団にに嚙みつこうと近づいたせいで一斉に袋叩きとなったのもある。
しかしそれにしても耐久力がサンドワームと比べると余りにも低すぎる。
少なくともサンドワームならばこれだけの数に囲まれて勝てはしないだろうが確実に少しの間は殴り合った上で通常サドルのゴーレムならば軽く身体にヒビが入るぐらいには爪痕を残したことだろう。
そう考えるとこの砂漠においてオベリスクの守護者を除いた中での最大の強敵はサンドワームだったことになり、それに比べるとワイバーンなどは大した脅威にはなりえないというか……何ならば谷の中に見えているワイバーン全てと乱戦になってもこちらのゴーレム軍団なら勝ててしまいそうな気さえする。
まあブレスを食らう暇がなかったからアレの威力次第でどうなるか分からないが、特殊能力など持たないサンドワームなどは四体ほどに囲まれただけでも結構な危機感を覚えさせるほどであっただけに脅威度の差は歴然だ。
……というかそもそも俺達はサンドワームを出血死させるという真っ当とは言えないやり方で倒しているが、ひょっとして本当はここで仲間にしたワイバーンの力を持ってして打倒すべき相手だったんじゃないか?
だけど誰がどう考えたって砂に潜む巨大蚯蚓より空を飛び火を吐く竜の方が強いって思うだろうに……というかそうであって欲しいに決まってるのにここを設計した人はロマンというものを理解していないのだろうか?
……いやまあ純粋に仲間に出来る生き物が余り強すぎたらバランスが崩れるとか考えていたのかもしれないけれど、どうせこんな巨体では洞窟でも使えないし空を飛べるからオベリスクの守護者との戦いにも連れ込めないだろうしロマンを優先してあのドラゴン並みに戦闘力を盛ってくれても……い、いややっぱりそれだと死人が出かねないからこれぐらいで良かったんだ、うん。
七百四十三頁目
余りにもワイバーンの耐久力がショボかったせいでブレスの威力を検証する暇がなかった。
仕方ないのでもう一度、適当な個体に弓を射かけてそのまま罠まで誘導して嵌るようならばその後でゴーレムに受けさせてみることにした。
フローラの設計だから間違いないとは思うがやはりこの罠で上手くワイバーンの動きを止められるのか少し心配であったが、実際にやってみると上手いこと嵌りこんで動けなくなったではないか。
ただ誘導する際の角度や位置に気を付けないと行けなそうなのは玉に瑕だが、まあその場合はゴーレム軍団に撲殺して貰えば問題ないだろう。
とにかくこの状態で後はブレスの威力を検証してみて、その上で眠らせて仲間に出来るか試してみるとしよう。
反撃して倒してしまわないよう無抵抗状態にしたゴーレムの一体を罠にかかって着地も移動もできず空中に留まりながらイライラしているワイバーンに向かって進めてみると、まるで憂さを晴らすかのように息を吸い込み始めてその口から炎……じゃないなんだあの青白いスパークしてるみたいな細長い閃光はっ!?
まさかこれは雷っ!? ほ、炎じゃなくて電撃を放射してくるだなんてっ!!?
こんな攻撃にゴーレムは耐えられるのかっ!? というか射程範囲も細いけれど長くて……ま、巻き込まれないようにもっと距離を取らないとっ!!
今回名前が出た動物
ファイアワイバーン(ワイバーン)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ドラゴン
ライトニングワイバーン(口から電撃を放射してくるワイバーン)