七百四十八頁目
ようやくワイバーンを仲間に出来る方法に目途が付いた。
だから後は飛行生物に乗ってあの穴の中にある卵を回収して戻るだけ……なのだがそんな真似をしたらモンスターをハントする某ゲームのように親の翼竜のようにワイバーン達が血眼になって追い詰めてきそうだ。
手っ取り早く危険性を無くすためには見えているワイバーン全てを狩りつくしてしまうのが一番だ。
ゴーレム軍団が居ればワイバーンを駆逐すること自体は難しくないので、今までの様に一匹一匹誘き出していけば日が落ちる前には卵の回収作業に移れる。
もちろん何もトラブルが無ければの話であるが、正直なところ俺はその起こりうるトラブルに心当たりがあった。
……サンドワームにも特殊個体が存在したのだから、もしかしなくてもワイバーンの特殊個体だって湧いていても不思議ではない。
本来ならば体格の差で特殊個体が混じっているか見分けられるのだが、今回は薄暗い谷間を似たようなフォルムの個体が何匹も落ち着きなく飛び回っているせいでサイズの差が見極めにくい。
もしもこの中に特殊個体が混ざっていたとしたら厄介なことになりかねない。
尤も通常種があれほど簡単に倒せたところを見るとサンドワームの特殊個体ほど苦労せず倒せてしまいそうな気もするのだが……
七百四十九頁目
俺の危惧とは別にキャシーも思うところがあるらしく、このまま駆除作業に掛かっていいのか疑問を呈してきた。
彼女曰く、ワイバーンの稚児を育成するためには先ほど採取したワイバーンミルクが必要不可欠なのではないかというのだ。
……そういえば生まれてすぐ生肉や果実に齧りつく動物ばかりで感覚がマヒしていたが、言われてみれば母乳を出せる生き物の子供ならば生まれてしばらくはソレだけを栄養源に成長するはずだ。
実際に他の動物と違って雌の個体からわざわざミルクを採取できるように設計されているところを見ると、確かにこのワイバーンミルクが無ければ育成できなくなっている可能性は十分にある。
むしろこのまま単純に卵を孵化するだけで良いのならばワイバーンという優秀そうな生き物の捕獲難易度的には余りに簡単すぎる気がするが、餌まで厳選されているとなれば逆にちょうどいい難易度に感じられる。
だからキャシーはワイバーンを駆除するにしても雌の個体はミルクが採取できるよう原型が留まる程度に手加減して攻撃すべきだというのだ。
それには先ほどの個体の様に麻酔で一度眠らせるのが確実だ、がそのやり方だと一手間も二手間も増えて下手をしたら駆除作業中に日が暮れかねない。
まあ別に時間自体はあるからそれはそれで構わないのだが……取りあえず他の皆の意見も聞いて行動方針を決めるとしよう。
今回名前が出た動物
ライトニングワイバーン(ワイバーン)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
デスワーム(サンドワーム)