七百五十頁目
ソフィアもシャルル少年もワイバーンの捕獲に前向きであり、なおかつ今の時点でワイバーンの脅威度がサンドワーム以下であることを踏まえると、特殊個体という危険性があってもここで退くという選択肢はないようであった。
ただキャシーの言うワイバーンミルクの確保については一理ある上に何かに使えるかもしれないため可能な限り採取していこうという話になった。
そのためにまずおびき寄せたワイバーンは全て罠に嵌めて雄雌を確認し、雄はそのまま撲殺し雌の方はまず死体からミルクを採取できるか確認した上で普通に駆除するかどうかを決めることにした。
そうと決まれば早速、谷の中に居るワイバーンをおびき寄せては罠に嵌める作業に取り掛かる。
するとやはり雌であっても撲殺した死体からはワイバーンミルクを採取できないことが分かった。
こうなると毎回雌を眠らせてワイバーンミルクを採取してから倒すしかなく、これが思っていた以上に手間がかかる。
またその最中に何度かワイバーンからブレス攻撃を受けて分かったのだが、どうもワイバーンには雷撃を放つ奴と炎を吹く奴に加えて毒を吐いてくる奴の三種類が存在する様だ。
しかしどのブレスもゴーレムの身体には効果がないらしく、また噛みつきなどの攻撃は頑丈な身体と高品質サドルによって阻まれてしまうため、雄と連続で戦闘になってもゴーレム軍団はほぼ無傷で倒せてしまう。
ただ毒だけは着弾点を中心に毒ガスを発生させるためゴーレム自体は大丈夫でもサドルに乗っている人には悪影響が出てしまいそうでその点だけは注意する必要があった。
逆に言えばそれにさえ気を付ければ致命的な問題が起こることはなさそうだ。
……空からブレスで攻撃できる点を除けばサンドワームの方が遥かに厄介だし、やっぱり本来の攻略順番はゴーレムを仲間にしたらワイバーンに挑んでその後でサンドワームというのが正しかったんだろうなぁ。
七百五十一頁目
雌個体を眠らせることで余計に時間をくってしまったせいで、ちょっとした問題が発生した。
いや正確には発覚したというべきか……どうもワイバーンミルクは結構腐りやすいようだ。
そもそもこの砂漠の過酷な環境では色々な物が腐りやすいのだから仕方のない話であるが、冷蔵庫によってある程度その問題が解決できていたせいですっかり見落としていた。
今回は移動拠点を連れてきていないしすぐ傍に作った簡易拠点には電気が通っていないため一度拠点に戻らないと冷蔵庫に保管することはできない。
ただ有機ポリマーのように動物に持たせておいた分は動物の体温が影響するのか僅かに消費期限が伸びるようでまだ腐ってはいなかった。
また同じ入れ物に入れておくと消費期限を延ばしてくれる食料保存塩も効果があるようで、やはりたまたまこれが残っていた荷物に入っている分もまだセーフのようだ。
取りあえず効果が重複するかもしれないのでまだ腐っていない分は動物の荷物入れに食料保存塩と一緒に押し込んでおいたが、果たしていつまで持つのやら……
まあ今さら仕方がないので子のまま作業を続けるけれど、ひょっとしたら卵とミルクの確保は別々に行った方が良かったかもしれないな。
今回名前が出た動物
ファイアワイバーン(炎を吹くワイバーン)
ライトニングワイバーン(電撃を放つワイバーン)
ポイズンワイバーン(毒を吐くワイバーン)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
デスワーム(サンドワーム)