二十七頁目
ドーちゃんと一緒に過ごすようになって半日が過ぎた。
会話ができないと分かっていながらも、僕は今までのうっ憤を晴らすかのように話しかけまくった。
すると自分でもびっくりするぐらいすっきりして、精神が落ち着くのを感じた。
どうやら僕はかなり孤独に耐えかねていたようだ、だから唯一の仲間のドーちゃんが愛おしくてたまらない。
おまけにドーちゃんはかなり賢いみたいで、流石に声こそ発しないけれど僕の仕草に反応を示すようになった。
これはちゃんと仕込めば色々してくれるんじゃないだろうか?
二十八頁目
思っていた以上にドーちゃんは……いやこの島の生き物はかなり賢いようだ。
僕の口笛を聞き分けて簡単な命令をこなせるようになったドーちゃん……そして新しく仲間に加わった襟巻トカゲのエーちゃんもだ。
こいつはちょうど待機命令を出していたドーちゃんに襲ってきた奴で、焦った僕が慌てて手に持っていた石の斧で頭を叩くとあっさりと気絶して……ドーちゃんのように口を動かし始めたのだ。
もしやと思い果実を差し出しても反応はなかったが、そのタイミングでもう一匹が今度は僕へ襲い掛かってきた。
こちらは槍で何とか迎撃したが、そこで槍の穂先についていた肉片を回収して気絶した個体へ差し出すと当たり前のように食らいついたのだ。
そして目を覚ましたエーちゃんはドーちゃんと同じ様に僕について回るようになったのだった。
しかも肉食だというのにドーちゃんと敵対もせず仲良くしていて、何がどうなっているのかさっぱりだがとにかく好都合だから良しとしよう。
二十九頁目
何で今までこんなことを見落としていたんだ?
倒した恐竜は資源の塊だ、肉は食料になるし皮は道具作りに利用できる。
早速解体して肉を焚火にくべると、すぐに脂が滴り食欲を刺激する匂いが漂ってきた。
一瞬毒が入ってるかもと思ったが我慢できなくなって貪りついたがこの上手いことっ!!
やっぱり肉は美味しいっ!! 何より腹に溜まるっ!!
おかげでかなり気力が戻ってきた、今なら何でも出来そうだ。
だから今度は皮を利用して新しい道具を作ろうと思う……絶望している暇があったらとにかく体を動かすんだっ!!
三十頁目
ついに布の防具一式が完成した、恐竜の爪を削り針代わりにして繊維と皮で手袋と靴を作ることに成功したのだ。
特に難しかったのは皮を鞣して使えるようにすることだったが何度も試行錯誤を繰り返していると左腕についた鉱石が淡く輝いた気がして……急にやり方が思いついたのだ。
実際にその通り試してみるとあっさり上手くいったが、これはどうなっているのだろうか?
本当にこの島は訳が分からないことだらけだ。
簡単に仲間になる生き物たちもそうだが、この間の恐竜大移動の理由も未だにつかめていない。
今もまだ続いているようで軽く探してもこの付近には生き物が見つからないほどだ。
せっかく大恐竜軍団でも作ろうと思っていたのだが……いっその事、島の奥へ踏み込んでみようか。
何せ武器も防具もできたのだ……そろそろ行動範囲を広げてみる時期なのかもしれない。
【今回登場した動物】
ドードー(ドーちゃん)
ディロフォサウルス(エーちゃん)