ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第802話

七百五十九頁目

 

 ワイバーンにも一区切りついたこともあり、改めて洞窟攻略を再開する時が来た。

 ちょうど隙間の奥で育てていたコレオちゃんの同種も七匹ほど成体になったことだし、もう文句なしに先へと進むことができる。

 しかもメンバーに関しても動物の扱いが上手いシャルル少年が加わっていることでさらに潤滑に行える……はずであった。

 

 しかしまさか各々の要望を聞いたところ、ワイバーンの谷を今度こそ観察したいというソフィアに始まり同じくワイバーンの卵と幼体の面倒を優先したがるキャシー、そしてやはりワイバーンという強力かつ幻想的な動物の卵をもっと集めておきたいシャルル少年……と半数が拠点へと残りたがってしまった。

 またハンスさんもやはり出来るのなら拠点に残ってエレメントダスト関連の作業を行いたいようである。

 唯一ルゥちゃんだけは一緒に活動できるのなら何でもいいらしいが、普段拠点に籠っての作業ばかりなのでむしろ動物に乗って色々できる洞窟探索の方をやりたがっているようであった。

 

 まさかここまで偏るとは思わなかったが、よくよく考えてみれば俺も前の島でフローラを失うまでは洞窟攻略に乗り気ではなかったのだから、他にやりたいことがあるうちは無理もない話かもしれない。

 まああくまでも要望であり、一応当時の俺とは違ってARKを攻略する意義を皆理解してくれているから、洞窟に付いて来てくれと言えば素直に頷いてくれるだろうけれども……さてどうしたものか?

 

七百六十頁目

 

 結局何だかんだで洞窟の奥にある壁画にも興味があるソフィアとルゥちゃんの傍に居たがるシャルル少年と共に行くことになった。

 つまり拠点に残るのはハンスさんとキャシーということになるわけで……またハンスさんはキャシーに振り回されることになりそうだ。

 まあそっちの事は気にしても仕方がないのであまり無理だけはしないよう言い含めておいて、俺達はさっさと洞窟へと向かうことにした。

 

 この砂漠のほぼ中央付近に存在するこの洞窟は既に何度も出入りしていることもあり、例のコレオちゃんが潜れない隙間までは最短ルートで進めてしまう。

 また道中で出てくる敵に関しても蜘蛛や蝙蝠にオオトカゲといったワイバーンやサンドワームとは比べ物にならない弱い奴しか出ないのもわかっている。

 つまりこれ以上ないほどに安全が確保できていると言えるため、せっかくなので洞窟に初めて入るシャルル少年に慣れてもらう意味も兼ねて隙間までの道のりを彼を先頭にして進むことにした。

 

 尤も動物の扱いに慣れている上に精神的にもある意味で極まっている彼は特に取り乱すことも無く敵襲にも淡々と対処して見せてくれた。

 唯一意味深な壁画には興味津々なようであり、毎回足を止めてはソフィアと一緒に何かしら語り合い、更には天の使い的な存在だと思い込んでいるルゥちゃんとオウ・ホウさんに意見を求めたりと、何というか洞窟を堪能しているようであった。

 俺もまたシャルル少年が前に立って動物への指示出しなどをしてくれるお陰で奇襲にのみ警戒する程度でよかったため、前で楽しそうにしている皆を眺めながらどこかピクニック気分で楽しく進む事が出来た。

 

 尤もそれも隙間に到達するまでの話……ここからは未知のゾーンとなるため気を引き締めて行かないと。




今回名前が出た動物

ティラコレオ(コレオちゃんの同種)
ファイアワイバーン(ワイバーン)
ライトニングワイバーン(ワイバーン)
ポイズンワイバーン(ワイバーン)
アラネオモーフス(蜘蛛)
オニコニクテリス(蝙蝠)
メガラニア(オオトカゲ)
デスワーム(サンドワーム)
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