ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第805話

七百六十五頁目

 

 まず俺がコレオちゃんでジャンプして向こうの壁際まで渡り、周囲が安全であることを確認した後でソフィアからダチョウもどきに乗ってこちらへと来てもらうことにした。

 やはり下が見えない程深いこともあってかソフィアは緊張した面持ちであったが、何度か深呼吸して気持ちを落ち着かせた後に飛んだところ、見事にこちら側まで渡りきることに成功した。

 思った通りダチョウもどきの滑空で着地地点を調整できるのは便利だったらしく、こちらに到着したソフィアはダチョウもどきの身体を労わるように優しく撫でてあげていた。

 

 後はコレオちゃんとダチョウもどきを交換した上で俺が向こうに戻り、ルゥちゃんに渡してあげればいい。

 その際には何かあった時にすぐフォローできるようコレオちゃんに乗っているシャルル少年も一緒に飛び移らせるつもりだ。

 ……これ以上ないぐらい完璧なやり方だと思うけれど、どうにも不安なのはルゥちゃんがいつもと変わらない表情をしているからだろう。

 

 緊張していたソフィアに比べて恐らくこれからやることの危険性をちゃんと理解していないように思われて、その姿についついかつてのフローラの姿が重なってしまう。

 だからでもないがもしも着地し損ねた時に備えて俺はグラップリングフックを引っかけられるようクロスボウを構えながら子供二人がジャンプするのを見守るのだった。

 

七百六十六頁目

 

 まさか本当にルゥちゃんがかつてのフローラの様に思い切りが良すぎるジャンプをするとは思わなかった。

 ダチョウもどきの滑空で上手い具合に勢いを殺せたから良かったが、コレオちゃんだったら勢い余って落ちていたかもしれない。

 全く心臓が止まるかと思った……多分フローラもかつての自分を思い出しているようで、さっきから右手首もチカチカしっぱなしだ。

 

 ……でもまあこうして改めて思い返してみるとフローラだけでなく当時の俺もまたろくに準備もしないで洞窟に突っ込んでいたのだから、お互いにどうしようもなく無謀であさはかだったんだなぁ。

 何だか少し懐かしさを覚えながら、皆の後を追って残りのコレオちゃん&ジャンプできる動物を連れて向こう側へと飛び移っていく。

 そして軽くルゥちゃんを窘め……ようとしたがその前にフローラが優しく諭しているようで、気を付ける―と言いながらコクンと頷いていた。

 

 果たしてちゃんと理解しているのか少しだけ不安だけれども、取りあえずこうして無事にみんな渡れたのだから良しとしよう。

 ……けどやっぱりルゥちゃんを洞窟に連れて行くのはもう少し成長してからにした方がよさそうだ。




今回名前が出た動物

ティラコレオ(コレオちゃん)
テラーバード(ダチョウもどき)
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