七百七十頁目
一旦現在の拠点に戻ってみると珍しいことにハンスさんとキャシーが出迎えてくれた。
てっきりいつも通り他の動物を捕獲しに回っているかと思ったのだが、どうやらワイバーンが孵化するタイミングがつかめず離れるに離れられなかったらしい。
尤も未だに兆候が全く表れていないところを見るとまだまだ時間はかかりそうだ。
その辺はこれまで他の動物の繁殖を世話してきたキャシーにもわかっているはずだが、ワイバーンという特別な生き物なだけに万が一にも育成を失敗するのを避けたくて慎重になっているようだ。
……或いは絶対に自分が最初に刷り込みをしようと意気込んでいるためかもしれない。
実際にこの拠点でやれることが少ないルゥちゃん辺りに卵の見守りを代わって貰おうとしても笑顔でお礼を言いながらも言い訳がましいことを口にして何とか自分が続けようとしていたぐらいだ。
ただ次の洞窟攻略のためにまたコレオちゃんを輸送しなければならないと告げると素直に協力を申し出てくれた……がチラチラと未練がましく振り返っていたりするのだった。
七百七十一頁目
俺とキャシーがコレオちゃんを外周部の砂漠にある遺跡の中に隠れている洞窟前まで輸送しに行く前に、残留組にもう一つお願いしておくことがあった。
それは今回収してきたアーティファクトを前の奴と同じく一番安全な金庫へ保管しておいてもらうことだ。
洞窟攻略に時間をかけたこともあってコレオちゃん達を外周部の砂漠にある遺跡の中に隠された洞窟まで輸送していたら恐らく日が暮れてしまうから、その前に誰かにやっておいて欲しかったのだ。
もちろん皆快諾してくれたので後の事は任せて今度こそキャシーと共に飛び立ちコレオちゃんの輸送に掛かる……前に近いからとワイバーンの谷の様子を確認しに行きましょうとお願いされてしまった。
確かに距離的にはそこまで離れていないがルート的には完全に寄り道になるからどうかとも思ったが、次いであそこに置いてきたゴーレム達の様子が気になると言われて確かにと思ってしまった。
高品質サドルの設計図が手に入ったこともあり恐らくゴーレムはオベリスクの守護者との戦いにおける主戦力として使うことになるだろう。
それがせっかく数も揃っているというのに下手に失ってまた集めなおす羽目になるのは勘弁だ。
だから二人で様子を見に行ったのだが当たり前のようにゴーレム軍団はほぼ無傷な状態のまま律儀に待機していた。
……その周りに二体ほどだが襲ってきたであろうワイバーンの死骸があったのは驚きだが、やはりゴーレム軍団の敵ではなかったようだ。
この調子ならばしばらくは放っておいても問題なさそうだ
今回名前が出た動物
ファイアワイバーン(ワイバーン)
ライトニングワイバーン(ワイバーン)
ポイズンワイバーン(ワイバーン)
ティラコレオ(コレオちゃん)
ロックエレメンタル(ゴーレム)