ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第810話

七百七十四頁目

 

 拠点へと戻ると緑のオベリスクに置いてきた移動拠点のパララ君の姿もあった。

 この時点で向こうに行ったメンバーも帰ってきているのだとわかり、実際に近づくにつれ拠点内のあちこちで皆が作業している様が見て取れた。

 向こうも俺達が帰ってきたことに気づくとまずパララ君の背中でクラフト作業しているハンスさんが声を掛けてきた。

 

 そしてまずキャシーが手に持っているGPSに気づくと人数分作ってあるから居るのならばと俺の分を差し出してくれた。

 もちろん有難く受け取りいつでも取り出せるよう持ち物を調整していると次いでこれも修理できたとポンプアクション式のショットガンを取り出して見せる。

 これは……この炎で薄っすらと表面が焦げた跡が残っているこれは間違いないっ!! 俺が前の島から持ち込めた数少ない高品質じゃないかっ!!

 

 そういえば緑のオベリスクがある拠点に放置したまますっかり忘れていたが、いつの間にか見つけ出したハンスさんが自主的に気を効かせてコツコツ修理しておいてくれたらしい。

 前の島で滅茶苦茶カプセル巡りをして集めた設計図の中から厳選した特に品質の良い至高の品なだけにこいつの威力は破格であり、それこそオベリスクの守護者にも通じる逸品だ。

 これだけでも十分すぎるほどありがたかったのに、しかもハンスさんは前の洞窟攻略やワイバーンの谷の薄暗さに思うところがあったらしく、松明を使わなくても光源を確保できるようアタッチメントとしてフラッシュライトをつけておいてくれた。

 

 本当にありがたい限りだ……これで洞窟攻略も一層捗ると喜ぶ俺に更にハンスさんはもう一つ報告してきた。

 何でもエレメントの精製が順調に進んでいるらしく、この調子なら近日中にTEKレプリケーターの制作に必要な数が揃いそうだとのことだ。

 遂にアレがこちらでも使えるようになるのかと思うとその凄さを知っているだけに興奮してしまい、思わずハンスさんと一緒に盛り上がってしまう。

 

 逆に実物を見たことがないキャシーは俺達の様子を見て、そんなに凄いものなら楽しみデスネーと口にしてこそいるがそこまで興味はなさそうであった。

 ただTEKレプリケーターさえあれば、ハンスさんは普通に左手首の鉱石を眺めても思い付けないような未来の道具や設備の作り方を知っているだけにそれらの制作が可能になると言い、その中に動物の卵をより早く孵化させられるものもあると知ると一転して食い付いてきた。

 

 実際にハンスさんは前に冷凍ポッドなるものを作ってみせただけに恐らく作ること自体はできるだろう、がそれがちゃんと動くかどうかはちょっと心配だ。

 何せせっかく作った冷凍ポッドは全く機能せずルゥちゃんの玩具になってしまったのだから、或いはインプラントで思い付けない物は作っても動かないようになっているのかもしれない。

 尤も仮に未来道具が駄目であっても設備としては作業机や旋盤の上位互換で制作速度も段違いなため、作れれば非常に便利になるのは間違いない。

 

 ……とそこまで盛り合ったのはいいが、そこでハンスさんが残る問題として黒真珠が圧倒的に不足していると伝えてきた。

 まあこの砂漠においては一番の強敵であるサンドワームから時々数個手に入る程度の超希少素材なのでわかっていたことであるが……こればっかりは他に手に入る場所が全く見つからないままだ。

 強引にサンドワームだけで数を揃えようと思ったら結構な数を狩って回らなければならないわけで……さてどうしたものか?




今回名前が出た動物

パラケラテリウム(パララ君)
デスワーム(サンドワーム)
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