七百八十頁目
まさか洞窟に入ってすぐのところで日記を見つけられるだなんて驚きだ。
まだ分かれ道一つ出てきていないのに、丸で見つけてくれと言わんばかりの配置ではないか。
一応壁際にあって薄暗い中では微妙に見落としそうな位置にあったので、松明ではなくフラッシュライトの光で進んでいたら気づけなかったかもしれない。
……しかしここの壁は一部が煉瓦造りのようになっているし奥に続く下り坂も所々階段になっているのも不思議だ。
入り口を封鎖していた木の板と言い間違いなく人の手が入った後だが、もしかしてこの洞窟の中で暮らしていた先達者様が居たのだろうか?
思い返してみれば一つ前の洞窟も墓場替わりとばかりに人骨を収める場所に壁画も彫り込まれていたわけで……だけど外より熱いこの場所でわざわざ暮らそうとする意味が分からない。
或いはそれこそ先達者様の日記を全部読めば何かわかるかもしれないが、取りあえずここにあったライア氏の日記というか石板に書かれていることは全くの無関係であった。
真っ先にソフィアが手に取って即座に読み下した内容を簡単に教えてくれたが、どうもトライブの運営が上手く行っている程度のことらしい。
……もう少し役に立ちそうなことを書き残しておいて欲しいと思うが、考えてみればこれは日記なのだからむしろこういう内容の方が多くて当たり前ではないか。
大体こうして俺が書いている日記だって似たようなものなのだからその辺に文句を言うのは野暮というものだな
七百八十一頁目
日記を見つけたところからさらに進んで行くが今のところ一本道のままだ。
正確には途中で下に地面が見えている崖があったが、わざわざ滑り落ちなくても普通に進んでいたら繋がりそうでそのまま道を進んだところ実際にその通りになった。
そこは少し広い空間になっており黒曜石の塊が幾つも転がり壁際には柱を始めとした人工物で整地された跡があった。
日記が見つかりそうな雰囲気に意気込むソフィアに押されるように手分けして周辺を探し回るが残念ながら日記は見つからなかった。
……代わりに少し首を上げてみるととある壁面にまたしても絵が描かれているのがわかった。
今回は彫り込んだのではなく何かの塗料か或いは壁を炙ることで色を変えることで描かれているソレは全体的にモヤっとしており何となくの外観しか伝わってこない。
だけどそれでもソレがこの砂漠で見た度の生き物とも違う形をした見覚えのある生き物であることがわかった。
パッと見た感じライオンのごとき頭から角が生えており背中には翼、そして尻尾はサソリのごとき形状をしている本来ならあり得ない生命体。
同じ幻想生命体であるワイバーンやゴーレムに勝るとも劣らぬ力強さを感じさせるその姿は、外周部の砂漠にあったもう一つの遺跡のコロシアム風の建物の上に鎮座していた石像に非常によく似ていた。
更に一つ前の洞窟の壁画をスケッチしていたソフィアはあのインプラントを中心にオベリスクの守護者と思わしきシルエットが四つ描かれていたものを取り出してみせた。
果たして唯一正体が掴めなかった最後の一体の姿はやっぱりこの壁画に似ているように思われた。
……前に石像を見た時ここのオベリスクの守護者じゃないかって何となく思ったけど、本当にそうなのかもしれないぞこれは。
今回登場した動物?
●●●●●●(ここのオベリスクの守護者)
今回登場した日記
ライアの石板(#7)