八百二頁目
ハンスさんとシャルル少年が飛び立っていくのを一緒にお留守番するルゥちゃんと共に見送る。
その後で改めてまだ性能を試していなかった火炎放射器の性能を試そうと拠点近くをうろついていたパロロ君の同種で試してみることにした。
……ちょっとだけ某世紀末マンガを思い出して汚物は消毒だー、とか叫びたくなるけれどルゥちゃんの情操教育に悪そうだから辞めておいた。
そうして真面目に使ってみたところ……欠点ばかりが目について仕方がないというのが正直な感想であった。
まず射程が短い、想像はしていたけれどまさか槍とほぼ同じぐらいの距離までしか効果がないとは思わなかった。
しかも断続的に相手の身体を燃やし続けてじわじわと苦しめることはできるけれど瞬間的に高威力を叩き込めるわけでもないためか、分厚い的の皮膚で結構粘られてしまう。
おまけに反動などもないため相手の身体を押し返して距離を保つような真似も出来ないため戦闘においては使い道がない……というよりも純粋な武器としては重火器という最適解が存在するために、それをもう十分生産できる現状では仕方のないことだ。
まあ一応草木といった目障りな物をまとめて焼き払えてしまえることも分かったが、だからなんだという話である。
これでフェニックスのテイムにも使えなかったりしたら、本当になんのために存在するのかすら分からなくなりそうだ。
……もしこれらを素材が乏しい中で間違って作ったりしたら心折れてたかもしれないと考えると、やっぱり次のARKに行く前に作って見てよかったと思えるのであった。
八百三頁目
取りあえずホーミングミサイル以外は作る必要はないと判断したところでルゥちゃんと共に拠点へ引き返し改めて屋内作業に専念することにした。
拠点にある畑の手入れや各種牧場で繁殖させている動物の卵や母体及び幼体の管理、更には消耗品補充のためのクラフト作業……それら全部をルゥちゃんは自主的に動いて手伝ってくれた。
俺が見ていない時もずっと頑張っていただけあってその手際も見事なものであり、ルゥちゃんもまた立派にこのARKに生きる者としてもまたトライブの一員としても立派に成長しているのを実感させられる。
……何せいつも傍に居たオウ・ホウさんも一緒に居ないのにちゃんとこうしてやれているのだ。
どういうやり取りがあったかは分からないがオウ・ホウさんはシャルル少年と行動を共にしていた。
そのためルゥちゃんは俺に何をするか大まかな指示こそ求めるが、後は自分一人の判断で行動している。
多分これもまた俺が居なくなった後を見越しての修行というか訓練の一環なのかもしれないが……これなら本当にもう俺が居なくなってもこのトライブはちゃんと回っていけるだろう。
実際に作る物ごとに必要な設備に必要な素材を選んで持っていって、完成した品を冷蔵庫や収納ボックスなど入れるべきところへ収めていく様子はいつぞやのフローラの姿に重なる様な気さえするほど手慣れた様子を見せているのだから。
まあ定期的に俺に褒めてと言わんばかりに振り向いて足が止まるのはご愛敬と言ったところだが……本当にもう俺が居なくなってもこのトライブはちゃんと回っていけそうだなぁ。
今回名前が出た動物
パラサウロロフス(パロロ君の同種)
フェニックス
インフルのせいで未だに喉が終わってますが、また再開していきたいと思います。
遅くなりましたがあけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします。