八百九頁目
あの超巨大な草食は特別な能力こそ持たないが単純に巨大すぎる体格からもたらされるタフネスとパワーは並みの動物とは比べ物にならない脅威である。
それこそ下手したら……いや間違いなく正面から殴り合うのならばこの砂漠でも特に厄介であったサンドワームの特殊個体をも上回るであろう。
尤もサンドワームと同じく出血攻撃に耐性がないであろうからコレオちゃん軍団とカルノン達で攻撃を仕掛けさせれば倒すことだけは確実にできるだろう。
ただあんな化け物とまともに殴り合ったら幾ら高品質サドルを装備したゴーレムですらそうは持たないであろうし、果たしてどれだけの被害を被ることになるのか想像もできない。
オベリスクの守護者との戦いにもゴーレム軍団の方は連れていく予定なだけに何とか被害を最小限に抑える戦い方がしたいところだ。
……問題はそんなことを考えている間にも超巨大な草食に追われている連中及びその道中にあるものが犠牲になってしまうということである。
負われている連中は自分から手を出したのだから自業自得と言えなくもないが、だからと言って人命が失われるのを見過ごす気にはなれない。
また地味に俺達が今暮らしている拠点が比較的近い位置にあるため、あの逃げる連中が方向を変えたらそれこそ巻き添えを食わされる可能性もある。
そう考えると無駄に時間を使っている余裕は無いわけで……仕方ないし取りあえずハンスさんとシャルル少年にゴーレム軍を連れに行ってもらい、俺は近場の岩山の上からあいつを攻撃してこちらに注意を引き付けて時間を稼ぐとしよう。
八百十頁目
ちょうど少し前に作ったホーミングミサイルが少しばかり手元に残っていた。
あえてロックオン機能を使わずに頭を狙い打ち抜いてやると、大砲で打った時の様に少しだけふら付く様子を見せた。
その隙に足元に居た連中にさっさと逃げるよう叫びつつ、もう一発同じように頭を打ち抜いてやる。
果たして二度もミサイルでヘッドショットを食らった超巨大な草食は俺達の方を脅威と見做したのか、ぐるりと頭をこちらに向けると旋回しようとその身体を動かし始めた。
サイズがサイズなので向きを変えるのも一苦労であり、せっかくなのでその隙にまた何発か頭にミサイルを叩き込んでやった。
頭だけ異様に伸びていることもあり動きを先読みしなければ頭にミサイルを当てるのは難しいが、前の島で苦労して修行した甲斐もあって俺は問題なく当てることができた。
……これで昏倒してくれればありがたいのだが、もっと衝撃の強い大砲ですら十発以上ぶち当てなければいけなかったのだから無理な話だ。
それでも何とかこちらに注意を引き付けることはできたため一旦アルケンに乗って空へと飛び立ち、再びあいつが巨体を旋回させなければいけない位置へと移動することを繰り返し援軍が届くまで時間を稼ぎ続けることにするのだった。
今回名前が出た動物
ティタノサウルス(超巨大な草食)
αデスワーム(サンドワームの特殊個体)
ティラコレオ(コレオちゃん軍団)
カルノタウルス(カルノン達)
ロックエレメンタル(ゴーレム)