八百十四頁目
俺の目の錯覚だろうか?
落ちかけている太陽の光に紛れるようにして一瞬緑のオベリスクが光ったような気がした。
しかしオベリスクが誰の操作も受けず勝手に起動するところなど今まで一度もなかったため、やっぱり目の錯覚か……と思ったところでふとライア氏の石板に記されていた内容を思い出す。
それによれば彼女のいたトライブに破滅的な崩壊が起こったのはオベリスクが妙な発光を起こした後だという。
……まさかとは思うが襲撃イベントがまだ収まっていないのに定期的にここへ寄ったりルゥちゃんを残してきたことが契機となり当時のように変なスイッチが入ってしまったのではないか?
一度考え出すと不安が次から次へと頭をよぎり、俺は慌ててルゥちゃんと合流すべくまず拠点の中へと降り立った。
しかし何故かロケットランチャー関係の製造を頼まれているはずのルゥちゃんは旋盤のところに居なかった。
まさか既に何かしらのトラブルに巻き込まれて……と余計に不安に陥りかけた俺であったが、周りを見回したところでオベリスクの方からフラフラと歩いてくるルゥちゃんの姿を目撃した。
一体どうして拠点の外に出ているのか疑問であったが、とにかく無事を確認しようと傍に近寄るとこちらに気づいたルゥちゃんは……いつも通り小首を傾げながら俺の事を見つめてきた。
……うん、いつも通りの反応のはず……なのに俺は何でか、ルゥちゃんと目が合ったとき一瞬だけれども心臓がドクっと跳ねるような感触と共に何とも言えない違和感を覚えてしまう。
お陰でルゥちゃんが怪我一つなく五体満足であることを確認しても不安な気持ちが完全に晴れてはくれなかった。
そんな感情を払拭したいこともあり、拠点の外で何をしていたのか尋ねてみるが、いまいち要領を得ない返事をするばかりであった。
ヘンな動物の鳴き声が煩かったとか、だけど本当の神様が晴らしてくれたからとか何とか……神様という言葉からシャルル少年の影響でまたここで目を覚ましたばかりの頃の価値観が戻ってきたんじゃないかとも思うが……何か、が変な気も…………?
追記
ここで気づいていたら或いはまだ間に合ったのかな?
少なくともあんな酷い結末にはならなかったと思うし……あの人との別れだって多分……
いやもっと言えば私達が余りにも軽率過ぎたから……あの人はずっとアレを警戒してたのに……
そう金庫をルゥちゃんの手が届く拠点の傍に置いてしまったのも、製造が忙しくなり一々開け閉めする手間を惜しんで金庫のロックを解除してしまったのも、ルゥちゃんを金庫のある拠点に一人残してしまったのも、最高の監視役だったオウ・ホウさんを引き離したのも……全部全部私達が皆で少しずつ積み重ねたやらかしの結果だ。
逆に言えばあの人はそれだけ厳重に管理しようとしていたのに……リーダーだからって全ての責任は自分にあるって背負い込んで………………あぁ……
今回登場した???
●●●●●●(???)