八百十七頁目
夜中にワイバーンの卵が孵化したら困ると女性陣&シャルル少年が徹夜覚悟で繁殖小屋に籠ってしまった。
初めて卵を孵化させようとしたフローラを思い出させる行動だけに気持ちはわかるのであえて止めようとは思わなかった。
だからこそもしも孵化が遅くなった時に徹夜したみんなの代わりに面倒を見れるよう俺は何かあれば起こすように告げて先に寝床へと戻ることにした。
同じくハンスさんもまた一緒に過ごしている男部屋へと戻ってきて自分のベッドへと腰を下ろした。
しかしそこでハンスさんはすぐ横になるのではなく、もしよければ少し話でもしないかと提案してきた。
何か思い詰めているような真剣な様に何か問題でも発生したのかと慌てて身体を起こしたが、どうやらハンスさんが話したいのはARK攻略自体に関わることではないらしく、まず最初に口にしたのは俺達が初めて出会った時の事であった。
当時のことを思い返して軽く雑談する俺達であったが、そこまで昔の事でもないのに何となく懐かしく感じた。
……この砂漠で初めて出会った仲間がハンスさんだった。
最初は色々と苦労させられて頼りなくも感じたハンスさんであるが、彼との出会いが無ければ俺はここまで上手くやってこれなかっただろう。
このARKそのものに関する情報だってハンスさんに教えてもらわなければ或いは行動方針すら定められず、もっと先行きの見えない不安な気持ちを抱えながらこの砂漠をうろつく羽目になっていたかもしれない。
またARKの環境に揉まれる中で逞しくなっていったハンスさんに俺の方も特にクラフト関係を始めとした屋内作業方面ではどれだけ助けられたことか。
当の本人は全ては俺と出会えたからこそと感謝しているが、むしろこちらの方こそ出会えてよかったと感謝の気持ちを口にした。
……お互いに感謝し合ったせいでどことなく気恥ずかしくなった俺は空気をごまかすようにであった頃の話を続けた。
オベリスクに向かって二人でこの砂漠を始めて遠征したこと、その途中で出会ったルゥちゃんに苦労したこと、そのうちにオウ・ホウさんに始まりキャシーやソフィアもトライブに加わっていき後には一筋縄ではいかない曲者のモーリツさんと出会い、そして最近になって行動を共にするようになったシャルル少年……話しながら俺達のトライブの軌跡を思い返していく。
前の島では少なかった多くの人との交流……その全ての始まりがハンスさんと出会いトライブを組めたからだと思うと何だか不思議な感動を覚えそうになる。
ハンスさんも同じ気持ちなのか感慨深そうな様子であったが、アーティファクトも集め終わり残すはオベリスクの守護者……という話題に差し掛かろうとした辺りで最初のようにまた思いつめた表情を浮かべ始めた。
そして改めて確認するように俺に対して、もうすぐにでもオベリスクの守護者を倒しに行くつもりかと尋ねてくるのだった。
今回名前が出た動物
ファイアワイバーン
ライトニングワイバーン
ポイズンワイバーン