二百五十頁目
三つの日記の断片を持ってフローラのところへと戻ると、既に石の防壁で囲まれた小さい家が出来上がっていた。
外を新しく現れたであろうティラノが齧っているのがあれだが、傷一つ付いていないので気にせず中へと降り立つとフローラが笑顔で出迎えてくれる。
そして麻酔矢を使って仲間を増やして早速あの洞窟に乗り込もうというのだ……前ので懲りてないとは本当に凄い活力だ。
そんな彼女を押さえつつ、見つかった日記の断片を指し示すとそれはそれで興味を示してくれて家の中で椅子に座って一緒に読もうと言い出した。
洞窟よりはずっとマシだと思い、その提案に乗って早速家の中で日記を読み始める俺たち。
今回の日記はロックウェル氏の物が二枚に、ヘレナという初めて見る名前の人の日記だった。
正確にはヘレナという人は前に呼んだロックウェル氏の日記に書かれていたが、まさか彼女の日記もあるとは思わなかった。
彼女も学者らしく、ロックウェル氏とは交流が深いようで彼女の日記にも彼の名前が書かれていた。
ひょっとして彼女もあの洞窟を攻略したのだろうか……まさかフローラのような性格の女性だったりしたら、ロックウェル氏もさぞや苦労……癒されたことだろう。
そんなフローラは俺の持っていた過去の日記と合わせて読みながら、今回のロックウェル氏が書いていた内容を見てはない気を荒くしている。
俺も読んでみると、何とそこにはオベリスクの秘密が書かれていた。
それは一種の転移装置であり、起動すると全然違う場所に飛ばされて……そこでドラゴンと戦う羽目になったようだ。
その結果は分からないが、この日記が島に存在する以上戻っては来れたのだろうが……転移装置という言葉には惹かれるが、ドラゴン退治など勘弁してほしい。
二百五十一頁目
同じ日記を読んだはずなのに、フローラの目はむしろ希望に満ち溢れていた。
あのオベリスクが転移装置ならば、上手く使えば自分の家に帰れる可能性があるかもしれないというのだ。
どうも彼女はまだ家族と会う希望を捨てきっていないようだ……もうあきらめ気味な俺にその姿は眩しく映る。
そしてフローラががオベリスクを起動するために必要だと思われるアーティファクトを集めようと言い出しても、結局止めきることができなかったのはそのためだ。
だから俺はとりあえず事前準備として、目の前で壁を齧っているティラノを放置してアルケン君で捕まえられるサイズのサーベルタイガーや大蠍辺りを連れてくるように頼んだ。
もちろんサーベルタイガーばかり連れてきたフローラに苦笑しつつ、前と同じように掴んだまま固定されたそいつを眠らせて仲間にしていくのだった。
【今回名前が出た動物】
ティラノサウルス
ドラゴン
サーベルタイガー
プルモノスコルピウス(大蠍)
アルゲンタビス(アルケン君)
【今回登場した洞窟】
NorthEastCave(暴食の洞窟)
【今回登場した日記】
ロックウェルの記録(#4/#27)
ヘレナの記録(#29)