八百二十九頁目
最悪だっ!! くそっ!! 今はこんな話をして時間を使っている場合じゃなかったっ!!
まさか昨夜に緑のオベリスクが怪しい発光を繰り返していただなんてっ!!
俺も昨日ルゥちゃんを迎えに行く時に違和感を覚えていたけれど、やっぱり緑のオベリスクは何か変調を起こしているのかっ!?
話の流れで偶然知らされた情報が余りに衝撃的過ぎて今までの事が全て吹き飛ぶほどの衝撃を覚える。
尤も教えてくれた当のモーリツさんは緑のオベリスクの発光現象は近くに拠点のある俺の仕業だと思っていたようだ。
或いはその発光現象を見て俺がオベリスクの守護者に挑んだのではと危惧していたからこそ、焦りながら無線機で連絡してきたのかもしれない。
だけどモーリツさんが俺達のトライブの誰かから情報を仕入れているとしたらここまで誤解が重なることなんか……って今はそんなことを考えている場合でもないっ!!
取り乱しそうになりながらも何度か深呼吸して心を落ち着かせる俺を見て異常状態が起きていると気付いたらしいモーリツさんに昨日はトライブの皆が違う拠点で過ごしていたことを告げるとすぐに事の重大さを理解してくれたようで表情を引き締め始める。
……そうだとも、だって昨夜は俺とハンスさんは同じ部屋で寝ていたしキャシーとソフィアとシャルル少年は三人揃ってワイバーンの卵を見守っていて、そしてルゥちゃんは……一人で寝ていた、はずだ。
だけど少し前に緑のオベリスクの方からやってきたルゥちゃんに不気味さを覚えた記憶も新しいせいか、何か関連があるんじゃないかという思いが湧き上がってくる。
そういえば今日のルゥちゃんはいつもよりぐっすりと永い眠りについているけれど、もしあれが昨夜に何かしていて寝不足のせいだとしたら……い、いや何を考えているんだ俺はっ!?
仮にルゥちゃんが夜中に何かしていたとしてもそれは皆で行動したがる寂しがりやなルゥちゃんが一人でいるのに耐えがたくて何かしていただけに決まっているじゃないか。
それこそ気持ちを落ち着けるために毎夜ごとにやっているように炎の前で踊ったりして時間を潰し…………いや待て、昨日はルゥちゃんが炎の前で踊るのを見ていないぞ?
超巨大な草食で時間を使いすぎてしまったこともあっていつも踊っているタイミングに皆が集合していなかった上にその後はワイバーンの卵が孵化しそうだからとそっちの方に意識が向いていて気に掛ける余裕がなかった。
尤も前にも忙しくて似たような状況になったことが無いわけではないが、そういう時はどこか寂しそうにしながらも一人で細々と日課のように熟していたはずだ。
だからきっと昨夜もそうであったに違いないと俺は自分に言い聞かせるように思い込もうとする。
……だって未来知識のないルゥちゃんがオベリスクに干渉して何かしているなんて考え寄りその方がずっと自然じゃないか。
そんなことで頭が一杯になっていた俺を、気が付けば隣に居たキャシーの叫び声が正気に引き戻すのだった。
今回名前が出た動物
ファイアワイバーン
ライトニングワイバーン
ポイズンワイバーン
ティタノサウルス(超巨大な草食)