八百四十五頁目
女子部屋をノックするが反応が無く、仕方なく軽くドアを開けて中をサッと確認したが誰の姿もなかった。
流石にもう起きて活動しているようだが一体どこで何をしているのか気になって仕方がない。
こうなると姿が見えないせいもあってかキャシーのお陰で一時的に忘れられていた不安が蘇ってくる。
いっそ無線機で連絡を取る方法も考えたけれど他の誰かにルゥちゃんを探していることを知られたら首を突っ込んでくるかもしれない。
そうなれば事情を説明することになりかねないわけで、そうして俺がルゥちゃんに対して不穏さを感じていると知られたらその人に心苦しい思いをさせることになるだろう。
しかし冷静に考えればルゥちゃんにオベリスクをどうこうできる技術も知識もあるわけがないので今回の件は俺の気のせいである可能性の方が高いため、そんな余計な気苦労をわざわざ背負わせる必要はないのだ。
……そうあくまでも俺が勝手に感じているだけ……たまたまオベリスクに違和感を感じたタイミングでルゥちゃんが傍に居たから勝手に関連付けてしまっているだけに決まっている、はずなのにどうしても確認しなければ納得できないのだ。
これがARKで長らく過ごしてきた勘なのか、それともやっぱり想定外のトラブルが当たり前のように舞い込んでくるARKで長らく過ごしてきたがために心配性になりすぎているだけなのかはわからない。
だからこそ確認してはっきり……いや心の整理をつけてスッキリするために俺はルゥちゃんを探し求めて拠点内を軽く見回してみた。
すると拠点ではなくそのすぐ傍に控えている超巨大な草食の背中で小柄な影が動いているのが一瞬、目に入ってきた。
俺が居ない間にも移動拠点としてドンドン改築されている超巨大な草食の背中には既にクラフト関係の設備も整いつつある。
だからもしかしてあそこで作業しているのではと思い、早速近づいてみることにした。
ただ身を守る意味も兼ねてプラットフォームサドルの上に設置された金属の土台の縁から同じく金属の壁を垂れ下げて胴体が見えなくなるほどに覆いつくされているため地上から近づくのは危険すぎる。
まあああしてやって金属質の建材を鎧の様に纏うことでより強固かつ安全な移動拠点として運用できるわけなので文句を言うつもりはないのだが……だけどもしもあんな状態で暴走でもしようものなら麻酔弾どころか銃弾も当てにくいから野生の頃より止めるのは大変だろうし、そうなったらまたギガノトの時の様に悲劇的な……い、いや何を変な事を考えているんだ?
アイツはギガノトと違って暴走したりはしないはずだし、もう飼いならされて俺達のトライブの人間しか操れないのだから心配する必要なんかないはずなのに……不安が不安を呼ぶとでもいうのか、どうも過去の嫌な記憶が呼び起こされてしまったようだ。
……そうさ、仮にあの背中に見えた人影がルゥちゃんだったとしても別に危険なんかあるはずが無いのに何でこんなに憶病な……くそ、俺はどうかしているのかもしれない。
今回名前が出た動物
ティタノサウルス(超巨大な草食)
ギガノトサウルス