二百五十五頁目
ついついティラノを乗り回すのが楽しすぎて、当初の目的を忘れるところだった。
尤も俺としては好都合なのだが、結局日が落ちる前にフローラが洞窟探索を思い出してしまった。
だからティラノで狩った獲物の素材を拠点に保管してから、サーベルタイガーのサドルを作ると合計十二匹の軍勢で洞窟へと乗り込んだのだ。
流石にこれだけ戦力が居れば環境さえ引っかからなければ問題ないだろう……尤も、毎回洞窟環境によって追い返されているのだけれど。
ひょっとしてこの島にある洞窟は人間に攻略させる気はないのではないか……そう思ったところで、今回もまた少し入ったところで足を止める羽目になった。
何せそこには水たまりがあるだけで行き止まりなのだ……先に進みようがない。
フローラはしきりに水の中を泳げばというけれど、どこに繋がってるかもわからないのにそんなところに突っ込むのは危険すぎるだろう。
二百五十六頁目
どうしてもとフローラが言うから、仕方なくまず俺がサーベルタイガーに乗ったまま水中を軽く調べてみることにした。
するとどうも少し潜ったところで、フローラの望み通りというか奥の方へもう少し続いていることが判明した。
尤も先がどうなっているのか、光源が無いからわかりづらい上に、呼吸が出来なくなったら怖いからどうしても先に進むのに躊躇してしまう。
それでも二度三度とやっているうちに少しずつ地形が分かってきた。
どうもこの水たまりは余り奥深くないらしく、呼吸が持つ程度の範囲で行き止まりになっており、そこに浮上できるポイントがあった。
恐らくこの先にも洞窟は続いているのだろうけれど、耳に聞き慣れない動物の鳴き声が聞こえたのでそれ以上は調べずにフローラのところへ戻る俺。
……微妙に水中の地形がくねっているからほんの僅かな距離なのに戻るのにかなり手間取ってしまったが、とにかく進もうと思えば進めなくはなさそうだ。
二百五十七頁目
水中を進んだ先にある空間などと来たフローラはもう行く気満々で、止めようがなかった。
だからサーベルタイガーたちを追従させて、再度水中を越えて全員で動物の鳴き声が聞こえる場所まで進む。
そしてサドルのついていない奴らを先行させて後ろから着いて行くと、案の定という言うべきか人と同じぐらいの大きさの蝙蝠に集られ始めた。
空を飛んでる相手だから苦戦しつつも何とかサーベル軍団が退治し終えたところで、ゆっくりと進んでいった俺の目の前に広大な地下空間が広がって見えた。
どうやらこの洞窟はさらに地下に向かって大きく広がっていて、真下には不思議な輝きを放つ未知の物体が地面から少し浮かび上がった状態で鎮座されている。
あれがアーティファクトだろうか? 然しどうやってあそこまで下りたものか……もちろんフローラの言うパラシュートでGO作戦は却下だ。
登れなくなったら困るし、何よりもアーティファクトのある一番地下の空間には遠目にも危険そうな動物が蠢いて見えるからだ。
それでも正直なところ、あんな風に輝くお宝を見たせいか俺も興奮しているようで引き返すという発想は湧いてこなかった……とにかく降りる方法を探すとしよう。
【今回名前が出た動物】
ティラノサウルス
サーベルタイガー
オニコニクテリス(蝙蝠)
【今回登場した洞窟】
NorthEastCave(暴食の洞窟)