八百六十四頁目
ルゥちゃんが誰かに利用されているかもしれない事態に俺だけでなく皆もまた不安な様子を見せ始める。
ただ今すぐにルゥちゃんを探しに行くべきだというキャシーやシャルル少年に対して、きちんと情報を整理して黒幕の目星などを付けてからの方が良いと言うソフィアとハンスさんで意見が分かれた。
確かに何をさせられているかの確認もあるが何よりもルゥちゃんの安全を思えば保護するのは早い方が良いに決まっている。
しかし行先の目星も何もつかない状況で飛び出しても出会える可能性は低いし、また黒幕の思惑次第では何か罠を張られている可能性だって否定しきれない。
そう考えると下手に動くよりもう少し何が起きているのかを突き詰めておくべきという意見も最もだと思えてしまう。
……当たり前だがその判断はまだ意見を述べておらずこのトライブのリーダーでもある俺に委ねられたようで皆の視線がこちらに集中する。
だから俺は外がもう暗くなっている時間帯であることもあり闇雲に飛び出して探し回っても見落としかねないので、まずは最低限ルゥちゃんが向かった先をある程度推測しておこうと提案した。
当然誰も逆らうことなく頷いてくれた……のはいいが、しかしルゥちゃんの目的も分からないのにどこへ出かけたのかなどわかるはずもない。
一応昨夜に起きたオベリスクの発光現象をルゥちゃんが起こしていたとしたら、また同じことをしようとそっちに向かっているのではと言う意見はあった。
だけどつい今さっきハンスさんとシャルル少年がそこから戻ってきたばかりであり、もしもルゥちゃんがこの拠点からそちらへ向かっているのならば途中ですれ違っていなければおかしい。
もちろん暗いから気づけなかった可能性は無いとは言えないが、流石にアルケンに乗っての移動中ならば夜中で松明なりの光源を持っているであろうし羽ばたきやアルケンの鳴き声などもあるだろうから同じルートを通っている以上はそうそう見落としたりはしないと思われた。
それでも念のためモーリツさんに無線で連絡をしてまた緑のオベリスクで発光現象が起こっていないか確認して貰ったが、やはり今のところは特に反応らしい反応はしていないようだった。
……急な連絡に軽く事情を尋ねられてしまい、どう答えるべきか一瞬迷ったが彼の事も信じようと決心していたこともあって素直にルゥちゃんが行方不明であることを説明しておくことにした。
その際にモーリツさんを警戒していたキャシーは彼が黒幕である可能性を考えてか少しだけ渋い顔をしていたが、それでもルゥちゃんの安否を確認できるかもしれない可能性を優先すべきだと判断したのか特に口を挟むことはなかった。
果たして無線の向こうでモーリツさんは呆れとも悩ましそうにも取れるため息を吐いたかと思うと、一応何かあれば連絡だけはすると約束してくれた。
今回名前が出た動物
アルゲンダヴィス(アルケン)