八百七十二頁目
あ、危なかった……まさか天井が崩れ落ちて押しつぶされそうになるだなんて……
咄嗟に身体が動いて机の下に避難出来たから俺は無事だったけど、他の皆は多少なりともダメージを受けたようだ。
尤も砂漠用の装備を高品質なものに替えておいたお陰で誰も命を落とすことはなかった。
事前に作って配布しておいて本当によかったものだが、そんなことに安堵している余裕などないとばかりに新たな問題が発生する。
まず建物自体が崩れてしまったがために発生している砂嵐に巻き込まれてしまっていることだ。
不幸中の幸いと言うべきか、一応ゴーグルをつけることで思った通りある程度の視界は確保できたが、それでもこのまま吹きすさぶ風にさらされていたらどんどんスタミナが削られてヘロヘロになってしまう。
だから本当は出来るだけ早く砂嵐を凌げる無事な建物の中に避難したいところだけど、幾ら探し回っても、更には点呼を取ってみても、二階にいて一緒に崩落へ巻き込まれたはずのルゥちゃんがどこにいるのか分からないままであった。
まだ寝ているとしたら突然の建物の崩壊に巻き込まれて下敷きになってしまっているかもしれないので、その身柄をしっかりと確認するまでこの場から離れるわけにはいかないのだ。
……尤も建物の崩壊そのものがルゥちゃんのせいであり本人が巻き込まれずとっくに抜け出しているとすれば話は全く変わってくるのだが。
俺は前の島で何度か他の生き物に寄って拠点そのものを完全に破壊されたことがあった。
その時と似たような崩れ方をしている以上は何者かの手で破壊されたと判断するのが妥当、なのだがどうしても信じがたい気持ちもあり何か別の原因で崩れたという可能性を捨てきれなかった。
何故ならルゥちゃんを確保しておくためにわざわざ金属の建材まで使ってこの建物を補強してあったのだ。
、あのギガノトですら文字通り歯が立たない金属の建材を破壊できる力なんてものはそれこそ規格外のサイズと体重差を誇る超巨大な草食かオベリスクの奥に居る守護者ぐらいしか想像できなかったためだ。
もちろんムカデの酸のような例外はあるものだが、どちらにしてもあのルゥちゃんにそんな真似ができるとは思えなかった……いや思いたくなかっただけかもしれない。
……だけど遅れて拠点の傍に待機させていた超巨大な草食の方から鳴き声と共に激しく争う音が聞こえて来たことで、俺は認めたくない現実から目を背けようとしていただけなのだと悟らざるを得ないのであった。
今回名前が出た動物
ギガノトサウルス
ティタノサウルス(超巨大な草食)
アースロプレウラ(ムカデ)