八百七十三頁目
あの超巨大な草食と争いになれば大抵の生き物はあっさりと倒れるはずだ。
それなのに激しく争う物音は未だなお続いており、一体何者と戦っているのか想像もつかない。
……いやそれは嘘だ、今の状況を整理してあり得る最悪の事態を想定すれば一応辻褄の合う答えは導き出せる。
だけど信じたくないし認めたくもない。
あのルゥちゃんがまさかエレメントの力で暴走してそんな真似をしているだなんて……
もちろん違う何かだとすればそれはそれで超巨大な草食と殴り合える怪物が傍にいることになり、厄介極まりない状況である。
だけどその方がはるかにましだ……少なくともルゥちゃんがそんな化け物になりかけているよりはずっと……
どちらにしてもその答えはこの砂嵐の向こう側に隠れていて見通すことはできない。
強引に近づけば確認できないことはないだろうけれど、超巨大な草食の攻撃は無駄に範囲が広いためもし間違って巻き込まれでもしたら大変だ。
幾ら高品質な防具を着ているとはいえ一発でお陀仏しかねないし、また超巨大な草食と渡り合っている相手の攻撃もまた脅威だ。
だから今は口惜しいけれど俺達に出来ることはこの瓦礫の中にルゥちゃんが埋もれている可能性を信じて探し続けるだけだ。
ただこのまま砂嵐の影響を受け続けて倒れてしまっては元も子もないので念のため手持ちの素材でテントを数個作り、仲間とローテーションで休み休み作業を続けることにした。
だけど幾ら探してもルゥちゃんは見つからなくて、それでいて聞こえている戦闘の音は段々と激しさを増して……時に金属の建材が破損する音と共に超巨大な草食の苦しそうな悲鳴まで聞こえてきた。
……超巨大な草食は鎧代わりに金属の建材で体を覆っていたというのに、それをも粉砕して超巨大な草食にダメージを与えているというのか?
この砂漠で見たゴーレムやワイバーンにサンドワームと言った化け物と呼べる生き物達ですらそんな真似は不可能だろう。
もうこの時点で野生生物である可能性は殆どありえなくなってしまっていたが、それでも俺は祈るような気持ちで建材を処理してルゥちゃんの姿を探し求め続けた。
まだ僅かに存在するたまたま近くに湧いてきた超巨大な草食と何かの間違いで戦闘になり同族同士で殴り合っているという僅かな可能性にかけて。
……だけどやっぱりわかりきっていた事なのだ……このARKに来てから俺の祈りが届いたことが何度あっただろうか?
むしろ嫌な予感ばかり当たっていたわけで、だからこの結果もむしろ必然だったのかもしれない。
今回名前が出た動物
ティタノサウルス(超巨大な草食)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ファイアワイバーン
ライトニングワイバーン
ポイズンワイバーン
デスワーム(サンドワーム)