八百七十七頁目
状況は最悪な方向にばかり進んで行く。
メディカルブリューと言う命を繋ぐ薬が……殆ど用意できなかったのだ。
今まで蓄えていた分はルゥちゃんの看護用にあの壊された拠点に持ってきていたせいで、あそこが壊された時に一緒に吹き飛んでしまったのだ。
更には移動拠点に積んでおいた分も、同じ移動拠点ならばパララ君よりも強力な超巨大な草食の方に積んでおいた方が安全だと考えて移しておいたのがモロに仇となってしまった。
これもまた超巨大な草食がやられた際に一緒にダメになってしまい、また他の素材ならばちょくちょく別の場所に少しずつ回収忘れたのが残っていたりするものだが、これに関しては消費期限の問題もあって、結局集められたのは普段から定期的に入れ替えながら携帯している分だけだ。
普通の敵が相手ならばこれでも十分だけれども、逆に言えば超巨大な草食クラスの敵と戦うには余りにも心細い。
だからと言って流石に一から薬を再生産する時間は無い……あそこでルゥちゃんが何をしているかは分からないが俺達に警戒しているであろうことを思うと向かうのが遅れれば遅れるほど向こうも迎撃の準備を整えるだろうから。
まして下手に時間をかけてルゥちゃんに対するエレメントの浸食が致命的になってもお仕舞なのだ。
そのため少しでも早くゴーレムとコレオちゃん達という主力を始めとしたあらゆる動物を集結させようと手分けして作業に移る。
……ワイバーンの幼体が育っていれば非常に心強い味方になったかもしれないがない物ねだりをしても仕方がない。
また武器もしっかり整えて……と言っても高品質防具を作る際に合わせて用意しておいた同じく高品質なアサルトライフルを始めとした銃火器とその弾、そして麻酔弾をたくさん用意しておくぐらいだ。
ハンスさんを除く三人はルゥちゃんを眠らせるための麻酔だけで十分じゃないかと言うが、何が起こるかわからない以上しっかりと武装を固めておくべきだと説得する。
多分すぐに納得したソフィアとキャシーは、何よりハンスさんが反対しなかったこともあって薄々俺と同じ最悪の事態を想定していたのだろう。
……もう既にルゥちゃんが取り返しも付かないほどエレメントに汚染されており、倒すしかない最悪最低の敵となり果てている事態を。
絶対に間に合わせたいし絶対に助け出したい気持ちは本物だけれど、もしもそうだと確信した時は……他の誰でもないリーダーである俺が、皆に糾弾されながらでもやらなければいけない、他の誰かにやらせてはいけない作業になる。
……でももしも、そんな事態になるのなら……仲間を救うどころか武器を向けるような事態を作ってしまった俺には、もう仲間を作る資格なんか……いや今の時点でもそうだ、よな
今回名前が出た動物
パラケラテリウム(パララ君)
ティタノサウルス(超巨大な草食)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラコレオ(コレオちゃん達)
ファイアワイバーン
ライトニングワイバーン
ポイズンワイバーン