八百七十七頁目
結構時間がかかってしまったが、何とか昼前までには動物を集結させることができた。
コレオちゃん軍団を繁殖用も含めて四十匹近く、そしてゴーレム軍団が二十体。
これらが主力であり、すべて高品質のサドルを装備させている。
さらに、皆を勇気づけるユウキィ君が一体、回復役の豚が二匹。他にも戦場を賑わせるために、様々な動物を連れてきた。
ワニ、ラプトル、針トカゲ、瘤付き、アンキロ、アルマジロ、パロロ君の同種、大砲を積んだ移動拠点のパララ君、カルちゃん軍団、カマキリ、狼、サーベルタイガー、ダチョウもどき……可能な限りの戦力を結集させた。
しかし通常サドルしか装備できない彼らの防御力では一瞬で蹴散らされる可能性が高い。
それでも、囮として僅かにでも時間を稼げれば、それで十分だ。戦場では、その些細な時間差が生死を分けることもある。
また、後方に控えさせる形で、モスラの同種も連れて行く予定だ。
戦闘能力は皆無だが、鱗粉によって敵のスタミナを奪い、足を鈍らせることができる。この能力は、ルゥちゃんを可能な限り無傷で確保したい俺たちにとって、非常に有効だと考えた。
……もっとも、超巨大な草食をも打ち倒す相手に手加減する余裕などないかもしれない。
それでも、俺たちは覚悟を決め、移動を開始した。
しかし、その矢先にモーリツさんから無線連絡が入る。
彼もまた、太陽の輝きで見えづらくなっていた緑のオベリスクが異常発光していることに気づいたらしい。
何が起きているのか話さなければならないと判断し、すべてを正直に伝えた。
ルゥちゃんの異常、エレメントの影響による脅威、そして超巨大な草食すら打破する化け物じみた存在の顕現。
……その際に失われたメディカルブリューを補填できないまま、俺たちはその存在へと総力戦を挑むこと。
まさかの事態に、さすがのモーリツさんも押し黙った。
その隙に俺は……俺達は自然と後の事を頼むと告げていた。
ソフィア、ハンスさん、モーリツさんに警戒心を抱いていたキャシー、そして元々モーリツさんのトライブにいたシャルル少年……それぞれが同じ言葉を口にする。
薬の確保ができなかった時点で、あるいは、大砲を何十発も頭に叩き込んでようやく気絶させた超巨大な草食の遺体を確認した時点で、皆薄々覚悟を決めていたのかもしれない。
今回の戦いが極めて厳しいものになることは誰の目にも明らかなのだから。
振り返れば、何もかもを持ち出し、もぬけの殻となった拠点が、砂嵐の影響もあって砂漠に埋もれかけていた。
まるで、俺たちの末路を暗示するかのように。
実際、これだけの装備と動物を投入する総力戦で負ければ、仮に生存者が戻れたとしても、トライブの存続はほぼ絶望的だ。
だからこそ俺たちは負けた際に残された者のために、あるいは全滅したとしても何かを残すために、モーリツさんにトライブの跡地を好きにしていいと伝え代わりに「後のことを頼む」と改めて告げた。
……無線越しに何か言いたげな気配を感じるがあえてそのまま通信を切った。
振り返るべきことは無い、後はもう……進むだけだ。
そして俺たちは今度こそ、初めて緑のオベリスクを目指した時と同じように陸路で……ルゥちゃんと初めて出会った時と同じコースをたどって……全てを終わらせるために前へと向かっていくのだった。
今回名前が出た動物
ティラコレオ(コレオちゃん軍団)
ロックエレメンタル(ゴーレム軍団)
ユウティラヌス(ユウキィ君)
ダエオドン(豚)
カプロスクス(ワニ)
ユタラプトル
モロクトカゲ(針トカゲ)
モレラトプス(瘤付き)
アンキロサウルス
ドエディクルス(アルマジロ)
パラサウロロフス(パロロ君の同種)
パラケラテリウム(大砲を積んだ移動拠点のパララ君)
カルノタウルス(カルちゃん軍団)
カマキリ
ダイアウルフ(狼)
サーベルタイガー
テラーバード(ダチョウもどき)
リマントリア(モスラの同種)
ティタノサウルス(超巨大な草食)
メチャクチャ長くなってしまいましたがスコーチドアース編は残り数話で終わりの予定です。
次の話は長くなることもあり少し投稿が遅れるかもしれません、申し訳ありません。