ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第894話

八百八十三頁目

 

 モーリツさんは俺達のトライブに協力しながらも相変わらず最初のエリアで来たばかりの人を助ける形で恩を売りながらコネを作る作業も続けている。

 しかもルゥちゃん救出作戦で俺達のトライブの人間とも今まで以上に打ち解けた、というか受け入れられるようになったためにその作業をちょくちょく女性陣も手伝ったりしている。

 またモーリツさんの指示出しはぶっちゃけ俺以上に優秀なので、現時点でもサブリーダー的な立場になりつつある。

 

 尤もキャシーもソフィアもハンスさんも、何なら今回の事件を経てシャルル少年もダメだと思ったことにはきっぱりストップをかけるようになったので、仮に俺が居なくなった後で彼がリーダーになってもヤバい事態に発展することはないだろう。

 むしろ俺がいた時よりさらにトライブが繫栄しそうですらあって、もう後顧の憂いは全く感じられない状況だ……心理的な事を除けばだが。

 要するにルゥちゃんの件もあり、一応は俺の出立を見送るつもりだった仲間達がまたもう少し残ったらどうかと言い出すようになったのだ。

 

 まるで前の島に居たメアリーやマァを思い出す反応だ。

 ……それだけ多くの人に想ってもらえるほどの人間関係を築けたと思うべきか、結局は心労を残すようなことになったダメさを悔いるべきか。

 しかし何がどうであれ俺の出す結論はもう変わりはしない……さあそろそろ時が来、ってなんでまたこのタイミングで泣き出すのかなミッキー君は?

 

八百八十四頁目

 

 遂に来た熱波到来。

 キャシーは念願のフェニックス捕獲を前にしてはしゃいで、入るけれどやはり前ほどではない。

 まだまだ癒えないルゥちゃんの心が枷となっているのだろうが、それに対してむしろソフィアは前向きだ。

 

 ワイバーンが伝承に近い能力を持ったロマンの塊であったことから、フェニックスもそうでないかと期待しているようだ。

 すなわち再生の力……もしもそれが本当ならルゥちゃんを元通りにできるかもしれないからと……

 確かにその可能性は零とは言い難いと思うが、正直俺は無理だろうと薄々思っていた。

 

 もしそんなことができるのならばフェニックスを手に入れた時点でほぼ死ぬことが無くなるわけで、人の生存能力を鍛えたいARKがそんな本末転倒になりえる動物を用意してくれるとは思わないからだ。

 尤も捕獲難易度を想えばそれなりの報酬代わりの能力は持っていそうではあるし、何度も言うが可能性が零とは言えない。

 だからかその話を聞いた途端にキャシーとシャルル少年のやる気は再びマックスになり、逆に俺と同じ結論に達している様子のハンスさんとモーリツさんは仕事が忙しいからと、俺にその捕獲の役割を押し付けてきた。

 

 ……或いはこの二人もほんの僅かでも俺にこの砂漠に残ってほしいと思っていて野行動なのかもしれない。

 まあ前の島に残した二人の事を想えばARKを移動した後に俺が手を貸せる事は何もなくなってしまうわけで……ワイバーン軍団を使わせてもらう駄賃も兼ねて最後の手向け代わりに協力するとしよう。

 




今回名前が出た動物

トビネズミ(ミッキー)
フェニックス
ファイアワイバーン
ライトニングワイバーン
ポイズンワイバーン



本当はこの辺りで焦土を終わらせるつもりでしたがやっぱりフェニックスの捕獲まではやっておこうと判断しました。
これが終わり次第、最後の締めとなるオベリスクの守護者との戦いを書いてスコーチドアース編終了になります。
少しリアルが立て込んできたのと最終話もまた長くなりそうなので投稿が遅くなりそうですが気長に待っていていただけたら幸いです。
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