ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第900話

三頁目

 

 フローラは応援しかできないと言っていたけどそんなことは全然ない。

 もちろん精神的な支え的な意味もあるけれど、実際には俺の見えない角度とかを観察して色々と報告してくれる。

 左右の壁も金属質で出来ていて、そこからも巨大なリングを支えるアーム的な物が繋がっていること。

 

 恐らくはこれは何かの装置で誰か……草木の浸食具合からしてヘレナ氏達の日記が見つかる崩れた建物に似ているため、彼女らと近い時代の先達者様が建造したものでこのARKに最初からあったものではないのだろう。

 その証拠とばかりに金属の壁と自分の目覚めた金属の床の間にはそれなりの隙間があるのだが、そこにはこの場所に元々あった自然が残っていた。

 他のARKと同様に果実が成っており更には繊維として使えそうな草木や竹のような植物にピッケルで砕けば石や火打石が取れそうな岩。

 

 ……そしてキノコ……キノコだ。

 果実の成っている植物に混ざるように自己主張するキノコに木々の代わりとばかりに聳え立つ他のARKだと洞窟でしか見かけないような巨大キノコ。

 ここはキノコの森か!? またファンタジー的な設定のあるARKなのかっ!?

 

 だとするとまたゴーレムやサンドワームに匹敵するヤバい奴が徘徊していたりする可能性が……いやでも最初に目覚める場所だからそんな危険な生き物がいたとしてもまだ出会うことはないだろうけども……ないよね?

 

『ねえねえっ!!あっちで光源が動いているよっ!?もしかして生存者かも!?』

 

四頁目

 

 まさかいきなり幻想生物が二体も現れるとは思わなかった。

 一匹は蟲だ、蛍のように黄色く発光しながら空を飛んでいる小さい……と言ってもここの動物の中では比較的小さいだけで充分大きい奴だ。

 そしてもう一体はチョウチンアンコウのようにこれまた発光する触手がおでこから伸びているブルドックのような顔をした生き物だ。

 

 こちらは大体、前の砂漠で言うミッキーのように方とかに乗せられそうなサイズであり、ありがたいことにどちらも襲ってくることはなかった。

 尤もこの程度のサイズなら何とか出来たであろうが、とにかくまだ裸な状態ではちょっとしたことが命取りになりかねない。

 だから未知の生物で調べたいことも多いが、一旦は放置して採取に取り掛かる。

 

 繊維を集めて落ちている石を……なかなか見つからないけどフローラと一緒に探して何とか見つけたのを拾う。

 そして最後は木材を採取して遂に全ての始まりになる石のピッケルが完成した。

 これで一気に効率が上がり岩を削ってコツコツと石と火打石、そしてごく僅かに取れる金属鉱石も集めて行く。

 

 まあ金属鉱石が役に立つのはまだまだ先であり今重要なのは火打石……これのお陰でピッケルとは微妙に用途の異なる石の斧も作ることができる。

 そこで一旦、近くの岩に腰を下ろし繊維を編んで頭と上半身と下半身を保護する布の防具を作っていく。 

 腕と足を保護する物も作りたいがこれらには動物の皮が必要になるので保留するしかない。

 

 ……しかしいきなり目の前に広がった巨大な人工物にこそ度肝を抜かれたが前の砂漠に比べたらここの環境は落ち着いている方の気がする

 やはりあそこの難易度だけバグっていたせいで異様に高かったのだろうか?

 だとするならここはもう少し楽に攻略できるのかもしれない……と一瞬思いかけるもすぐに首を横に振る。

 

 そんな楽観視は今まで一度だって当たったことも無ければ役に立ったことも無い。

 むしろ最悪な予想ばかり当たっているのだから、ここが一番厄介なARKだと想定した上で動いた方がいい気すらする

 ……尤もあの砂漠の環境以上に厄介な環境など俺なんかには想像もつかないのだが。

 

『人工物があるみたいだしそれが暴走して電撃バリバリ~ってなってるエリアとか、放射能がガリガリガリ~ってしてたりするエリアがあったりしたらどう?じ、冗談だからそんな嫌そうな顔しないで~』




今回名前が出た動物

ロックエレメンタル(ゴーレム)
デスワーム(サンドワーム)
グローバグ(黄色く発光しながら飛んでいる小さい蟲)
バルブドッグ(チョウチンアンコウのような触手が伸びている生き物)
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