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あの植物さえ何とか出来ればここは安全に違いない。
そう思ってまず俺は離れたところから首の長いディ君にあの植物を採取というかなぎ倒してもらうことにした。
その際に周りを赤く小さいキノコが取り囲んでいることに気が付いた。
前に各種キノコを採取した時の色合いとは異なる気がしたが、実際にディ君がついでの様に採取した内容を見ると島や砂漠でも見た事のあるキノコばかりであった。
……というか赤いキノコ自体は触れたら胞子のようなものを巻いて萎んでいってしまったから回収できなかったのだ。
それともう一つ、一番大事なあの食肉植物もまたディ君ではなぎ倒せないことが判明した。
どうやら思った以上に硬いらしい……仕方なく次は弓矢で打って見たけどやっぱり効果は薄いようだ。
こうなったらやっぱり斧で切り倒すしか……でも危険そうだし、やっぱり先に傷をいやした上で皮の防具だけでも完成させてからにしよう。
『……あのキノコの胞子、何だかすっごく怪しげな感じがするけど気のせいかな?』
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ここまでに採取した素材で調理なべを作るのは余裕だった。
早速、火をかけて採取した生肉や果実を利用してオリジナル料理とオリジナル飲料の作成に掛かる。
料理の方は傷をいやしお腹を満たすために、飲料の方は保存がきく水分の携帯が主な目的だ。
そうして完成した料理を食べて傷を癒しを早めつつ、その間に水中に湧く三葉虫を狩れる範囲で狩っていくことにする。
もちろんモソちゃんには解体も含めて手伝ってもらうが……この子、泳ぐの苦手みたいで遅いんだよなぁ
まあ三葉虫には追い付けるので問題なく狩れるからいいのだけれど、早いところもっと戦闘に役立つ動物を捕獲したいところだ。
……ちょうどいいし、傷が癒えるまでの時間を使って最小限の建物と共にすり鉢とかも制作し始めるとしますか。
『ようやくARK攻略の第一歩開始だね!基本中の基本だけど、しっかり事前準備するのも大事だから頑張って!』
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モソちゃんとディ君のお陰で素材集めは順調だ。
少なくとも最初に目を覚ましたエリアで人力でやっていた頃とはけた違いである。
ただ木材は中央の岩場にはないため、採取の度に泳いで渡る必要がある。
これがまた面倒だったので、結局は水深があまり深くないこともあり木の柱と天井を利用して橋のように行き来できる道を作ることから始めた。
更に岩場が狭いこともあって、そのまま水の上に柱と天井を並べてその上に居住区を作ることにした。
お陰で想定より多くの素材が必要であったが、動物二匹の助けもあって問題なく完成し、今は家の中でゴリゴリとすり鉢で麻酔薬を作り始めているところだ。
しかしそこでフローラに言われて気づいたのだが、麻酔を作るための黒い果実とこのARKで初めて採取した黒いキノコの色合いは何となく似ているのだ。
だからもしかして代用できるんじゃないかと思い、まずは動物に食べさせてみたら麻酔を打ち込まれた時のような反応を見せた。
これは上手くいくんじゃないかと今はまだ希少な腐った肉と混ぜ合わせてみたところ、思った通り麻酔薬が完成したではないか。
……黒いキノコが黒い果実の代用で使えたとすると、残るキノコももしかして色の似ている果実の代用として使えるんじゃないか?
『草食の子達に食べさせて問題なさそうならまずは一口、次いで二口……そうやって反応見てみたらどう?』
今回名前が出た動物
ディプロドクス変種(ディ君)
モスコプス変種(モソちゃん)
三葉虫変種