三十一頁目
金色のキノコだけは口に入れるのに非常に抵抗があったが、どうやら黒以外のキノコは問題なく食べられるようであった。
しかもそれだけではなく水色のキノコには水分がふんだんに含まれていることも判明した。
これがもっと早く分かっていたら水源にここまでこだわる必要はなかったのだが、お陰でこんな良い立地が見つかったのだから良しとしよう。
それと普通のキノコっぽい奴もまた食べてみたらなんか本当に僅かだけど傷の直りが早くなっているような気がした。
どうやら俺は警戒しすぎていたようで、ここのキノコは基本的にこちらの味方というか良い物のようだ。
尤も金色のキノコは食べても問題こそなかったが付加価値というかお腹が膨れる以外に何か意味があるようには感じられなかった。
もちろん黒いキノコは黒い果実と同じで眠くなるだけっぽいので齧ってもいないが、とにかくキノコも食べれるとわかった以上は餓死する心配はなさそうだ。
『もしかしてあの食肉植物っぽいのも、あの赤いキノコが出してた胞子も、悪い物じゃなくて逆に良い効果あったりするのかな?』
三十二頁目
しぬ、おなかいたい、めまいがする、げりがとまらない、たすけて、ああ、こきゅうがくるしい、いきがいきがいきがぁぁぁぁ……
『しっかりしてぇええええ!!あんなキノコなんかに負けないでぇええええ!!ほら食べて飲んで栄養補給して!!胞子が抜けるまでの我慢だからあああ!!』
三十三頁目
キノコはヤバい、食肉植物じゃなくてキノコがヤバい……赤いキノコはヤバい
『いいから無理しないでベッドで休んで!!』
三十四頁目
キノコ怖い、キノコ怖い、キノコ怖い、キノコ怖い
『大丈夫、もう大丈夫だから……よしよし、頑張ったねぇ~……でももう少しだけ休もうね?』
三十五頁目
……フローラに沢山お漏らしするところ見られた……死にたい
『今さら何言ってるの!そんな程度で嫌いになんかならないってば!!貴方だってもし私がお漏らしするところを見ても……や、やっぱり今の無し!!そ、想像しちゃダメぇ!!』
三十六頁目
ようやく落ち着いた。
まさかあの食肉植物じゃなくて赤いキノコの胞子がヤバかっただなんて。
軽く吸っただけで視界が虹色に歪み始めた上に幻覚っぽいものまで見えてきた。
更には息の吸い方も分からなくなり陸地に居るのに溺れそうになり、挙句の果てには下痢が止まらなくなって垂れ流してしまった。
フローラが傍で声を掛け続けてくれたから何とか踏ん張れたけど、もし俺一人であんな状態になってたら何もわからないまま水中に飛び込んでそのまま本当におぼれ死んでいたかもしれない。
本当にヤバいあのキノコは……だから今はディ君に生えるたびに片っ端から採取して貰っている。
すると胞子が出る前後だと強力な麻酔弾を作るために必要となるあのクラゲからも取れる毒素が僅かずつだけど採取できることも判明した。
……先に見つかっていれば、こんなのが混ざる胞子をもっと危険視できたというのに
しかもこれ有益ではあるけど時間が経つと腐敗していくから今の時点で採取しても正直あまり意味はない。
同じくドンドン溜まっていく前の島とかではレアだったキノコも同じことだが、まあ使い道は余裕があったら考えて行くとしよう。
……正直、キノコそのものがトラウマになりつつあるから大丈夫だとわかってていても見たくも触りたくもないのだが
『錯乱しちゃって凄かったもん、無理もないよ』
今回名前が出た動物
ディプロドクス変種(ディ君)