ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第913話

三十七頁目

 

 しかしまさかあの食肉植物っぽいのが全くの無害だったとは予想外だった。

 まあ斧で切り倒せないのもびっくりだったし、お陰でその場にとどまり続けたせいで生えてきた赤いキノコを踏んでえらい目にあってしまった。

 ただ同時にもう一つ、あの食肉植物が近づくと光を発してくれてその光に当たっていると傷の直りが更に良くなることがわかった。

 

 錯乱した俺が石とかに引っ掛けて付いた傷が目に見えて癒えたことで判明したことだ。

 後は食肉植物が近くに居るとたまに種のようなものを吐き出すのも分かったが、これは今の段階ではやっぱり何の役にも立たなそうだ。

 尤も傷を癒す特性があるこの植物を生やせると言うのならば園芸が可能になった時点で育てておきたいところなので、一応持っておくことにはする。

 

『何でかなぁ?何となくだけどソフィアさんがルゥちゃんに持たせてた種を思い出すなぁ』

 

三十八頁目

 

 あの植物が無害だとわかったことで、金属鉱石の採取もできるようになった。

 もちろんキノコの胞子を吸わないよう気を付けながらの作業だが、これにより一気に生活基盤は整ったと言っていい。

 真珠、原油、水晶、キチンからセメントもボチボチと作り始めることができている。

 

 そして金属鉱石を溶かすことでインゴットと燃料の木材や代用に使えるキノコが燃え尽きた木炭も手に入り始めた。

 後は焦らず時間をかけて金属の採掘道具一式とボウガンに護身用の鉄の槍、更にその間に腐った肉と黒い果実やキノコを利用して麻酔を大量生産して、メディカルブリューと麻酔矢の備蓄を作れば完璧だ。

 そうした上でこの近くにいる生き物を片っ端から捕獲して仲間にしていき、特に未知の生き物はその能力も検証しながら次の目的を探すとしよう。

 

 まだ拠点を作ったばかりだし襲撃イベントも心配する必要がないわけだし、ここはじっくり腰を据えて準備期間にあてるとしよう。

 

『皮が手に入ったからポーラも作れるし、麻酔矢が足りないうちはこん棒で殴って仲間を増やすのもありかもね?』

 

三十九頁目

 

 ……わかってた、わかってたよ

 そんな順調にいかないだろうことはわかっていたよ。

 だけど何で川下の方から巨大なカニが歩いてくるんだよっ!?

 

 なんだよあいつ!? 初めて見るけど明らかにヤバそうじゃねぇかっ!?

 まだ目が覚めたばっかりだよ? ほんのちょっとしか移動してないよ?

 なのに何で巨大な蛇に続いてこんな強敵そうな奴まで次から次へと現れるんだよっ!?

 

 冗談じゃない!あんなのモソちゃんとディ君、そして仲間にしたばかりのラプトルとパロロ君とサソリだけで倒せるわけないだろ!?

 くっそ、またこの拠点を放置して逃げるしかないのか……安住の地はどこにあるんだっ!?

 

『木材を壁にしてボウガンで矢を撃ち続ければワンチャンス……ないかな?』




今回名前が出た動物

カルキノス(巨大なカニ)
バジリスク(巨大な蛇)
モスコプス変種(モソちゃん)
ディプロドクス変種(ディ君)
ユタラプトル変種
パラサウロロフス変種(パロロ君)
プルモノスコルピウス変種(サソリ)
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