ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第916話

四十五頁目

 

 更に先へと進んでいくが、今度は目立ったものは見えてこない。

 小型のキノコと大型のキノコ、そして砕ける岩ばかりが転がる広い道がし界全体に広がっているばかりだ。

 もちろん採取しながら先へと進むが、この辺の生き物は倒しきったのか今のところ動物の姿は見えてこない。

 

 お陰で落ち着いて周囲を観察できたのだが、木の代わりのようにそびえる巨大キノコの中には傘の下がチカチカと瞬いているものがある。

 どうやら胞子が蛍のように光っているようだが、その光景がこの薄暗い雰囲気にマッチしていて何とも言えず幻想的に感じる。

 ……遭遇する生き物と言い雰囲気といい、気象ではなく直接的に災いをもたらす毒ガスや胞子という環境と言い、やはり今までのARKとは方向性が全く違っているような気がする

 

 今のところこれまでのARKでの経験は活かせているが、余り過信しすぎない方がいいかもしれない。

 

『そもそも狭くて見通し悪いから、今まではおおよその方針に出来たオベリスクも全く見えないから……あれ?というかここって洞窟の中だよね?オベリスクって救難物資が入っているカプセルと一緒で地上にあるんじゃないの?』

 

四十六頁目

 

 フローラの指摘に今更ながらにオベリスクの位置どころかあるかどうかすら確認できていないことに気づいた。

 同時に思い出すのはこのARKに引き寄せられてた時に一瞬見えた全体図……一つのオベリスクが破損しているように見えたことも思い出し背筋がヒヤリとする。

 ……確かハンスさんは三つのオベリスクがARKの外側を覆う目に見えない壁、フォースフィールド?とやらを張っていると言っていた。

 

 もしオベリスクが一つ破損していると言うのならば地表はどうなっているのか?

 バリアなしだとARKの端まで行けば宇宙空間に放り出されることになるが、そもそもそれ以前に宇宙空間と直接触れ合うことになり色々と問題が発生するのではないか?

 余り詳しくないが宇宙線がどうのこうのとか、そもそも酸素とかの空気の問題も……とにかく地上は人が生きていられる環境じゃなくなっているのではないか?

 

 そしてそんな地上にしかオベリスクがないとしたら……これまで次のARKに進むための守護者に挑むにはオベリスクにアーティファクトを収める必要があったが、それが不可能ということになれば俺は……フローラも……

 

『落ち着いて、大丈夫……もしそうなら『待つ者』が何も言わないわけないよ……何かあるんだよ、だから悩むのはやれること全部終わらせてからにしよう』

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