ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第920話

五十四頁目

 

 拠点が出来れば麻酔矢を安定して作りつつ、更には建材を罠にしたり盾代わりにすることで大抵の動物は安全に捕獲できるようになる。

 だけどせっかく作るなら近くに資源があるところがいい。

 どうせ資源を効率的に利用するためには傍に拠点を作ることになるんだし、最終的にはそういう資源の豊富な拠点にしか立ち寄らなくなるのだ。

 

 下手に沢山拠点を作っても手間と時間と素材と労力を無駄に使うだけになってしまう。

 せめて金属鉱石の塊を見つけてその近くに、と思いながら動いていると先の方で別のステゴが二匹がかりで尻尾を振っているところを見かけた。

 その全身からは激しく出血しており、尻尾の先には傷をつけたであろう前に見たあの犬にも狼にも似た子がいるではないか。

 

 これは是非とも捕獲、したいところであったがどうも肉食の宿命らしくあちこちで喧嘩を売っていたらしいその子はあっさりステゴにやられてしまった。

 せっかくここで見つけた新種でしかもポーラが効きそうな捕獲しやすそうな相手だったのに残念だ。

 それでもせめていい素材が取れるかどうかだけは確認しておきたくて、草食のステゴが捨て置いている死体を解体しようと近づいたところで、不意にすぐ傍に紫色の輝きが発生したではないか。

 

 まさかまた毒ガスの噴出口が近くにあったのかと一瞬身構えるも、振り返った俺が見たのは洞窟によくおかれているタイプの救助物資の入ったカプセルであった。

 どうやらフローラの言っていたようにこの地下にあるARKではああいう形で提供されるようだ。

 取りあえず設計図縛りで攻略しなくて済んだことにほっとするも、回収しようとしたところですぐに新たな問題にぶち当たる

 

 ……何であの微妙に這い上がれなさそうな段差の上にあるの? 嫌がらせか?

 

『うわぁ……さっきの子がレオ君みたいに壁に飛びつけたらよじ登れたのにね……』

 

五十五頁目

 

 紫のカプセルに入っている物資はそこそこ良い物だから見過ごすには惜しい。

 だけど今の時点でこの段差を這い上がる手段は限られている。

 貴重なインゴットを使ってグラップリングフックやこのARKで初めて思いついたクライムピッケルを作るぐらいしかない。

 

 ただそのためには作業机が必要なわけで、となると拠点作りも……とそこまで考えたところで建築が得意なフローラがいいアイディアを思いついてくれた。

 前の砂漠でソフィア達が作った見張り等を参考にした高い建物を作り、そこにはしごをかけて屋根の上から飛び移れるようにしたらどうかというのだ。

 確かに建材の材料はその辺から幾らでも回収できるわけで、仮に無駄になったとしてもインゴットと違って惜しくは全くない

 

 何より拠点そのものがあった方がいいのも事実だ。

 だから早速フローラの指示に従って木材を利用したそこそこ大きな建物を作り、天井にハッチ枠と梯子を付けて登れるようにする。

 そうして完成した壁の建材を縦に五つほど並べて二階建てにした建物はしっかりと天井部分が段差とほぼ同じ高さになった。

 

 これもフローラが最初の土台を設置する場所を厳選してくれたおかげだろう。

 後は梯子を上って天井まで……ってこのタイミングで地震っ!?

 ちょぉ!! あ、あぶねぇ!! 揺れて滅茶苦茶あぶない!! 梯子から手が離せないってこれっ!?

 

『うわわわわ!! て、天井に上った時でなくて良かったけどこの地震やっぱり嫌いぃいいいい!!』

 




今回名前が出た動物

ステゴサウルス変種
ラベジャー(犬にも狼にも似た子)
ティラコレオ(レオ君)
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