ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第921話

五十六頁目

 

 地震が収まった後で改めて天井まで登った俺はカプセルを回収する前に、足を滑らせて堕ちないよう木の柵を設置しておいた。

 今回は収まったばかりだからともかく、また次にカプセルを回収しようとして天井に上ったタイミングで地震が起きたら大変だからだ。

 そうして対策した上であらためてカプセルを回収すると、出てきたのはギリースーツのレギンスに当たる部分の設計図だった。

 

 しかもそれなりの品質のモノで、もしこれが中盤以降に手に入っていれば大当たりの部類だっただろう。

 ただ物資の乏しい現状だと現物の方が遥かに嬉しかったのだが……まあそれは贅沢というものだ。

 ……しかしこの段差を上った先、てっきり行き止まりだと思ったら結構先まで続いているじゃないか。

 

 調べに行きたいところだけれど梯子を上れない動物達を置き去りにしたまま進むのは危険すぎる。

 さてどうしたものか……と悩みそうになったけれどフローラが天井から階段とかスロープを下ろして恐竜も渡れるようにすればいいと提案してくれた。

 もちろんデザインは彼女にまかせて、俺は言われるままに身体を動かすのだった。

 

『ええと、土台の位置がここだから……まずは一階の天井部分を足場にしてそこまで伸ばした後で、二階部分の天井に繋がるように……あ、そこからじゃ土台から距離があり過ぎて支えられないからこっちに設置し直してね?』

 

 

五十七頁目

 

 流石にディ君はきつかったが、他の生き物は何とか段差の上まで連れてくることができた。

 これでこの先も探索することができるわけで、早速ラプトル達を前に出して進んでいく。

 左右には巨大な岩の壁があり、意外と狭い道を少し進んでいくと、先の方から独特な足音が聞こえてきた。

 

 聞き覚えは滅茶苦茶ある……カルちゃんだ。

 島や砂漠にもいた子だが、このARKにもやっぱりいたのか。

 強すぎず弱すぎず、それでいて出血攻撃という独自性があるから捕獲できるなら捕獲しておきたい相手だ。

 

 問題はラプトル軍団だけで抑えられるかという問題だが、サドルが付いている子が少ないこともあってギリギリ行けるかどうかといったところだ。

 またこいつはフサフサの恐竜に群れで率いられていることも多々あるため、その場合はぶっちゃけ今の時点だと総力戦を挑んでも負けるのが落ちだ。

 尤も今までも経験からするとあのフサフサなユウキィくんの同種は、こんな序盤の方には出てこないはずだが、巨大蛇に巨大カニを立て続けに見ている以上、気楽に構えるのは止めておいた方がいいだろう。

 

 近くに砕ける岩も木材の代わりになるキノコも繊維が取れる場所も幾らでもあるのだから、ここは時間を惜しまず岩の砦でも築き上げるとしよう。

 岩の建材は壊せる動物が限られているからユウキィ君がカルちゃん軍団を率いていても安全だし、逆に上から射抜いてやればこの段階でユウキィ君たちを仲間に出来るかもしれないのだから。

 

『頑張れ~……ってあれ? なんかこの子達の身体光ってない?』




今回名前が出た動物

ディプロドクス変種(ディ君)
ユタラプトル変種
カルノタウルス(カルちゃん)
ユウティラヌス(フサフサの恐竜、ユウキィ君)
バジリスク(巨大蛇)
カルキノス(巨大カニ)


アップデート長かったぁ……つい一時間前にようやく更新できました……( ;∀;)
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