ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第922話

五十八頁目

 

 元々辺りが薄暗いのとドック君のライトのお陰で全然気づかなかったが、いつの間にか夜を迎えていたらしい。

 ずっとライトを点灯しっぱなしだったドック君が疲れたように明かりを消したところでようやく気づいたのだ。

 同時にその暗がりの中で周りを見回して初めて、動物達の身体が所々斑紋のように光っているのに気が付いた。

 

 動物ごとに光り方こそ違いはあるがこれは一体何なのだろうか?

 これまでのARKに居た動物と全く一緒だと思い込んでいたが、もしやこの子達もシマウマと同じで特別な個体だったのか?

 或いはこの色々と光り輝く場所に適応する形でこの子達も変異進化しているとか……ってのは深読みしすぎだろうか?

 

『う~ん、特殊個体かただの模様かわからないし、取りあえずは変種ちゃんってことにしたらいいんじゃないかな?』

 

五十九頁目

 

 まさかあの空飛ぶ光る虫にこんな使い方があるだなんて。

 ドック君が妙に意識するから着地した奴に近づけてみたら、提灯が触れた途端に何やら反応して再び点灯し始めたではないか。

 代わりに虫の方は光が弱まり慌てて逃げるように飛び去って行った。

 

 どうやらあの虫たちからは光るためのエネルギーを奪い取……譲ってもらっえるようだ。

 どんな原理なのかは謎であるが、今更ARKにいる生き物の生態に突っ込んでも仕方がない。

 それよりも逆にあの虫にこっちが光を与えたり奪われたりもするのだろうか?

 

『もしもあの虫を仲間に出来たら便利そうだけど麻酔矢でも打ってもこん棒で叩いても死んじゃいそうだし……それこそ光を分け与えて仲間にする、だなんてフェニックスに炎当てるよりもおかしい方法で仲間にする生き物がいるわけないよね?』

 

六十頁目

 

 トロちゃんの同種やドードーと言った簡単に狩れる生き物を駆逐しつつ、資材を集めてようやく岩の砦は完成した。

 ついでにその際に集まった素材を使ってディ君を除くラプトルやサソリのサドルも用意することができた。

 これで生存率は上がるし、サソリの針には微弱だけど麻酔の効果があるから相手次第では麻酔矢を節約できるようになる。

 

 だからと言って麻酔矢を惜しむような真似はする気はなく、実際にこれから挑むカルちゃんの同種には群れでも個体でも麻酔矢で捕獲を試みる予定だ。

 岩の壁とドア枠と恐竜用の門を左右の岩壁に接するように横二列に並べて、向こう側にはスロープを付けることで簡易の落とし罠風にした。

 フローラの設計で作ったこれにより、向こう側から危険な生き物が押し寄せる可能性はほぼなくなったと言っていい。

 

 ……なぜ単純に落とし穴風の罠だけにしなかったかというと、向こうにもしもユウキィ君の同種がいるような場所ならこうして行き止まりにしておかないと、何かの間違いで降りて来て大暴れしそうだからだ。

 尤もここまでやっておいて、実際にラプトルに誘導させてみたところユウキィ君はいないのかカルちゃん一体とこのARK特有で捕獲し損ねていたあの犬のような狼のような奴しかつり出せなかった。

 

『これはこれでいいの!用心するに越したことがないんだから!それよりさっさと二体とも捕まえちゃって先に進もう!』




今回名前が出た動物

バルブドッグ(ドック君)
エクウス変種(シマウマ)
グローバグ(空飛ぶ光る虫)
フェニックス
リストロサウルス変種(トロちゃんの同種)
ドードー変種
ディプロドクス変種(ディ君)
ユタラプトル変種
プルモノスコルピウス変種(サソリ)
カルノタウルス変種(カルちゃんの同種)
ユウティラヌス(ユウキィ君)
ラベジャー(犬のような狼のような奴)
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