ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第924話

六十三頁目

 

 不意にドック君のライトの輝きが不安定になった。

 まるで何かに怯えるように、或いは威嚇するように強くしたり弱くしたりし始めたのだ。

 一体どうしたのかと思う間もなく、次いで先の方から凄い勢いでラプトルがこちらへと向かってきていた。

 

 力強い踏み込みに勢いと言い、流石に特殊個体ほどではないだろうが、どうも同じラプトルの個体の中でもかなり強い方のようだ。

 尤も今の俺の敵ではなく、向こうが到達する前にポーラを投げて拘束した上でドック君を調べる時間が欲しいため麻酔矢を打ち込んでさっさと眠らせてやった。

 そうした上で改めて調べてみたところ、どうもこのラプトルに反応しているように思われた。

 

 果たして餌を与えてラプトルを仲間にしてみると安心したように通常通りの発光にもどったではないか。

 ……もしかしてこの子、近くに強い個体がいるとこうして反応してくれるのかな?

 

『カルちゃんとかには反応してないところを見ると生き物としての強さじゃなくて、同種の中で特に強いリーダー個体的なのに反応しているのかな?暴力よりもカリスマ的なパワーの方が怖い!みたいな感じで?』

 

六十四頁目

 

 次いで襲ってきたサソリも、これはキチンが欲しいので倒したところで、ようやく襲ってくる肉食はいなくなった。

 ただ少し進んだところでまた重量級の足音が聞こえて来て、警戒しながらラプトルを壁にするように進んでみたところ、パララ君の同種がのそのそ動いているだけであった。

 しかし安心して改めて奥へ進もうとしたところ、どうもここが行き止まりのようであった。

 

 あれだけ動物の襲撃が相次いだだけに、てっきり何かあると思っていただけにがっかりだ。

 無理して建材を使って登り、更には岩の砦まで築いたのに成果はカルちゃんとラベちゃんだけ。

 これだと余りにも勿体ないので、どうにかしてせめてこの目の前にいるパララ君の同種ぐらい捕獲したいと彼の巨体を見上げながら思っていたところ、ふとちょうど彼の背中ぐらいの高さのところにまた人が乗れるぐらいのスペースがあることに気が付いた。

 

 夜に下から照らすだけじゃ何とも言えないが、光るスティックを折って何か所か投げ入れてみたところ、どうも進めそうな道もあるように見えた。

 ……またここにも階段建築するのか……面倒だなぁ。

 

『上下自由に行き来できる何かがあればいいのにね?ゲームとかだとジップライン、なんてのがよくあるけどあれが作れたら……下に降りる分には便利になりそうなんだけど……え?思いつきそう?うそ!私、島にいた時に何度も考えたんだよ!?ずるい!』




今回名前が出た動物

バルブドッグ(ドック君)
ユタラプトル変種
カルノタウルス変種(カルちゃん)
プルモノスコルピウス変種(サソリ)
パラケラテリウム変種(パララ君)
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